不随意運動に対する脳深部刺激術

近年, 脳深部刺激術 (DBS) はループ回路障害の治療法として再認識されるようになり, パーキンソン病や本態性振戦から, ジストニアなどの他の不随意運動にも広く適応拡大されている. われわれは1998年以来, 薬剤難治性パーキンソン病患者に対し138例の視床下核 (STN) -DBSを経験したが, 5年以上の長期観察での結果から, STN-DBSは, パーキンソン病の運動症状の中でも, いわゆるdopa反応性といわれる, 振戦, 固縮に長期的な有効性を示し, dopa非反応性といわれる, 姿勢・歩行障害, 嚥下・言語障害には有効性が乏しく, また非運動症状には効果がないことが判明した. さら...

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Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 23; no. 8; pp. 641 - 647
Main Authors 難波, 宏樹, 伊藤, たえ, 浅川, 哲也, 野崎, 孝雄, 杉山, 憲嗣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科コングレス 2014
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.23.641

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Summary:近年, 脳深部刺激術 (DBS) はループ回路障害の治療法として再認識されるようになり, パーキンソン病や本態性振戦から, ジストニアなどの他の不随意運動にも広く適応拡大されている. われわれは1998年以来, 薬剤難治性パーキンソン病患者に対し138例の視床下核 (STN) -DBSを経験したが, 5年以上の長期観察での結果から, STN-DBSは, パーキンソン病の運動症状の中でも, いわゆるdopa反応性といわれる, 振戦, 固縮に長期的な有効性を示し, dopa非反応性といわれる, 姿勢・歩行障害, 嚥下・言語障害には有効性が乏しく, また非運動症状には効果がないことが判明した. さらに, われわれの経験したDBSの適応拡大の例を提示した.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.23.641