音楽家ジストニアに対してガンマナイフ視床腹吻側核凝固術 (Vo-thalamotomy) にて長期的改善を示した1例

音楽家ジストニアは, 音楽演奏を職業とする人のおよそ1%に発症し, 発症した半数以上の患者は, ボツリヌス治療や内服治療などの保存的加療を行っても最終的には音楽家としてのキャリアを諦めてしまう. このような難治性音楽家ジストニアに対して, 定位視床腹吻側核凝固術 (ventro-oral thalamotomy : Vo-thalamotomy) を施行することで劇的な症状改善と良好な長期予後を得ることができる. しかし手術には穿頭術が必要なため, 高齢者や抗凝固薬内服など外科的リスクが高い患者に対しては適応が困難な場合がある. ガンマナイフによる視床凝固術は, 難治性振戦に対して有効であると...

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Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 27; no. 3; pp. 222 - 226
Main Authors 平, 孝臣, 野中, 拓, 林, 基弘, 田村, 徳子, 川俣, 貴一, 堀澤, 士朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科コングレス 2018
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.27.222

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Summary:音楽家ジストニアは, 音楽演奏を職業とする人のおよそ1%に発症し, 発症した半数以上の患者は, ボツリヌス治療や内服治療などの保存的加療を行っても最終的には音楽家としてのキャリアを諦めてしまう. このような難治性音楽家ジストニアに対して, 定位視床腹吻側核凝固術 (ventro-oral thalamotomy : Vo-thalamotomy) を施行することで劇的な症状改善と良好な長期予後を得ることができる. しかし手術には穿頭術が必要なため, 高齢者や抗凝固薬内服など外科的リスクが高い患者に対しては適応が困難な場合がある. ガンマナイフによる視床凝固術は, 難治性振戦に対して有効であると頻繁に報告されているが, 音楽家ジストニアに対して施行した報告は, 以前にわれわれが報告した1例のみである. 本論文はすでに短報にて報告した同1症例における24カ月の長期的な経過を含めた報告である.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.27.222