反復性鼻出血を契機に発見された glomangiopericytoma の 1 例

反復性鼻出血を契機に発見された glomangiopericytoma の症例を経験した。症例は 86 歳、男性。左鼻出血のために当院救急搬送された。左鼻腔に、嗅裂から総鼻道を占拠し後鼻孔へ進展する、表面平滑な出血性腫瘤を認めた。CT では腫瘍は左鼻腔内に限局していたが、易出血性、抗血小板薬服用中、高齢であり、外来で確定診断のための生検は行わなかった。このため、入院の上、全身麻酔下内視鏡下腫瘍切除術を行った。腫瘍茎部は左側鼻中隔に認め 2 mm ほどのマージンを確保し電気メスで腫瘍を切除した。病理組織検査、免疫組織検査から glomangiopericytoma と診断した。Glomangio...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in耳鼻と臨床 Vol. 68; no. 2; pp. 107 - 113
Main Authors 森田, 浩太朗, 馬場, 健, 加藤, 照幸, 荒井, 真木, 水田, 邦博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 20.03.2022
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0447-7227
2185-1034
DOI10.11334/jibi.68.2_107

Cover

More Information
Summary:反復性鼻出血を契機に発見された glomangiopericytoma の症例を経験した。症例は 86 歳、男性。左鼻出血のために当院救急搬送された。左鼻腔に、嗅裂から総鼻道を占拠し後鼻孔へ進展する、表面平滑な出血性腫瘤を認めた。CT では腫瘍は左鼻腔内に限局していたが、易出血性、抗血小板薬服用中、高齢であり、外来で確定診断のための生検は行わなかった。このため、入院の上、全身麻酔下内視鏡下腫瘍切除術を行った。腫瘍茎部は左側鼻中隔に認め 2 mm ほどのマージンを確保し電気メスで腫瘍を切除した。病理組織検査、免疫組織検査から glomangiopericytoma と診断した。Glomangiopericytoma は境界型低悪性度の腫瘍とされ不完全な外科切除では局所再発が高いとされている。本症例は腫瘍茎部を同定できたため、鼻内内視鏡下に腫瘍基部を含めて腫瘍を切除でき有効な治療と考えられた。
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi.68.2_107