内視鏡単独拡大経蝶形骨洞手術に必要な外科解剖

下垂体腺腫に対する内視鏡下経蝶形骨洞手術は多くの施設で行われるようになってきたが, トルコ鞍外の頭蓋底病変に対して内視鏡手術を行うためには周辺の解剖を熟知することが必須である. アプローチでは両側鼻腔を利用して蝶形骨洞前壁を可及的に広く開放することが基本となる. 頭蓋底修復のための大きな有茎粘膜弁作成に際しては, 蝶形口蓋動脈の走行を理解しておくことが重要である. 蝶形骨洞の解剖学的指標をもとに, 前方, 側方, 斜台部に骨削除を拡大して病変に到達するが, 骨の奥に正常構造が内視鏡画像としてイメージできるようになることがポイントと考えている. 本稿ではわれわれの経験した症例をもとに, 内視鏡単...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 22; no. 5; pp. 370 - 378
Main Authors 矢野, 茂敏, 秀, 拓一郎, 倉津, 純一, 河野, 隆幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科コングレス 2013
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.22.370

Cover

More Information
Summary:下垂体腺腫に対する内視鏡下経蝶形骨洞手術は多くの施設で行われるようになってきたが, トルコ鞍外の頭蓋底病変に対して内視鏡手術を行うためには周辺の解剖を熟知することが必須である. アプローチでは両側鼻腔を利用して蝶形骨洞前壁を可及的に広く開放することが基本となる. 頭蓋底修復のための大きな有茎粘膜弁作成に際しては, 蝶形口蓋動脈の走行を理解しておくことが重要である. 蝶形骨洞の解剖学的指標をもとに, 前方, 側方, 斜台部に骨削除を拡大して病変に到達するが, 骨の奥に正常構造が内視鏡画像としてイメージできるようになることがポイントと考えている. 本稿ではわれわれの経験した症例をもとに, 内視鏡単独拡大経蝶形骨洞手術の要点を各方向別にまとめている. 正常解剖との対比を行いながら理解する必要がある.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.22.370