鼻中隔彎曲が慢性副鼻腔炎の遷延化に及ぼす影響
鼻中隔彎曲症が慢性副鼻腔炎の遷延化に及ぼす影響について、解剖学的構造異常以外の疫学的要因をかなり無視できると思われる片側性副鼻腔炎 46例を対象に研究を行った。患側凸群 13例・彎曲群 15例・患側凹群 18例に分類し、Lund-Mackay Staging System に準じて患側副鼻腔の重症度を評価した。彎曲の方向にかかわらず、中鼻道に排泄路をもつ副鼻腔の重症度が高かった。患側凸群と非患側凸群 (彎曲+患側凹) の比較において、上顎洞炎の重症度に有意差を認めた (p < 0.05)。以上の結果から、上顎洞は慢性副鼻腔炎の好発部位であり、さらに鼻中隔彎曲は上顎洞炎の遷延化因子になるこ...
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Published in | 耳鼻と臨床 Vol. 58; no. 4; pp. 157 - 162 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
耳鼻と臨床会
2012
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Subjects | |
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ISSN | 0447-7227 2185-1034 |
DOI | 10.11334/jibi.58.157 |
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Summary: | 鼻中隔彎曲症が慢性副鼻腔炎の遷延化に及ぼす影響について、解剖学的構造異常以外の疫学的要因をかなり無視できると思われる片側性副鼻腔炎 46例を対象に研究を行った。患側凸群 13例・彎曲群 15例・患側凹群 18例に分類し、Lund-Mackay Staging System に準じて患側副鼻腔の重症度を評価した。彎曲の方向にかかわらず、中鼻道に排泄路をもつ副鼻腔の重症度が高かった。患側凸群と非患側凸群 (彎曲+患側凹) の比較において、上顎洞炎の重症度に有意差を認めた (p < 0.05)。以上の結果から、上顎洞は慢性副鼻腔炎の好発部位であり、さらに鼻中隔彎曲は上顎洞炎の遷延化因子になることが示唆された。 |
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ISSN: | 0447-7227 2185-1034 |
DOI: | 10.11334/jibi.58.157 |