妊娠後期に下垂体卒中を起こし緊急手術を必要としたプロラクチン産生下垂体腺腫の1例

プロラクチン産生下垂体腺腫に対してカベルゴリン (CAB) 内服加療中に妊娠した21歳女性. 妊娠判明後にCABは中止となった. 妊娠後期に両耳側半盲を認め, 高プロラクチン (PRL) 血症があり, MRIにて腫瘍内部に液面形成像と視交叉の圧排を認めた. 帝王切開術後に一期的に内視鏡下経鼻的下垂体腫瘍摘出術を行った. 病理組織学的所見はsparsely granulated lactotroph adenoma (SGLA) でaggressiveな所見を認めた. 術後視野障害の顕著な改善を認めた. 本症例では妊娠による生理的変化と妊娠判明後のCAB投与中止が下垂体卒中の発症と病理組織学的に...

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Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 30; no. 2; pp. 146 - 151
Main Authors 中村, 陽祐, 梅北, 義久, 神部, 敦司, 牧嶋, かれん, 坂本, 誠, 伊澤, 正一郎, 長尾, 裕一郎, 桑本, 聡史, 黒﨑, 雅道
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科コングレス 2021
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.30.146

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Summary:プロラクチン産生下垂体腺腫に対してカベルゴリン (CAB) 内服加療中に妊娠した21歳女性. 妊娠判明後にCABは中止となった. 妊娠後期に両耳側半盲を認め, 高プロラクチン (PRL) 血症があり, MRIにて腫瘍内部に液面形成像と視交叉の圧排を認めた. 帝王切開術後に一期的に内視鏡下経鼻的下垂体腫瘍摘出術を行った. 病理組織学的所見はsparsely granulated lactotroph adenoma (SGLA) でaggressiveな所見を認めた. 術後視野障害の顕著な改善を認めた. 本症例では妊娠による生理的変化と妊娠判明後のCAB投与中止が下垂体卒中の発症と病理組織学的にaggressiveな所見に影響を与えた可能性がある. このような症例では, 他科との連携による集学的なアプローチを用いた治療が求められる.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.30.146