術前診断が困難であった肝原発神経内分泌腫瘍の 1 切除例
症例は 44 歳,女性.胃痛を主訴に近医を受診し,腹部超音波,造影 CT 検査で肝腫瘤を指摘され当院を紹介受診された.術前精査での各種検査の造影パターンから肝細胞癌や肝内胆管癌,肝線維腫などの鑑別が困難であり,肝原発腫瘍として左肝切除を施行し,術後病理検査で神経内分泌腫瘍と診断された.術前精査で他に原発巣が指摘されなかったことから,肝原発の神経内分泌腫瘍(NET) と診断した.術後 9ヶ月現在,無再発生存中である.肝原発 NET は非常に稀な疾患で,特異的な画像所見はなく,術前診断は困難である場合が多い.本症例も術前には確定診断が得られず,肝原発神経内分泌腫瘍の術前診断が困難であることが示唆さ...
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Published in | 日大医学雑誌 Vol. 83; no. 5; pp. 189 - 194 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本大学医学会
01.10.2024
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Subjects | |
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ISSN | 0029-0424 1884-0779 |
DOI | 10.4264/numa.83.5_189 |
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Summary: | 症例は 44 歳,女性.胃痛を主訴に近医を受診し,腹部超音波,造影 CT 検査で肝腫瘤を指摘され当院を紹介受診された.術前精査での各種検査の造影パターンから肝細胞癌や肝内胆管癌,肝線維腫などの鑑別が困難であり,肝原発腫瘍として左肝切除を施行し,術後病理検査で神経内分泌腫瘍と診断された.術前精査で他に原発巣が指摘されなかったことから,肝原発の神経内分泌腫瘍(NET) と診断した.術後 9ヶ月現在,無再発生存中である.肝原発 NET は非常に稀な疾患で,特異的な画像所見はなく,術前診断は困難である場合が多い.本症例も術前には確定診断が得られず,肝原発神経内分泌腫瘍の術前診断が困難であることが示唆された. |
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ISSN: | 0029-0424 1884-0779 |
DOI: | 10.4264/numa.83.5_189 |