腹腔鏡手術を行った50歳の停留精巣合併鼠径ヘルニアの1例

症例は50歳の男性で,数日前から出現した右鼠径部の膨隆と強い疼痛のため,2021年12月に受診した.CT所見からは鼠径ヘルニアの診断は確定しなかったが,患者の強い希望もあり,transabdominal preperitoneal repair(以下,TAPP)の予定で手術を施行したところ,右停留睾丸と鼠径ヘルニアJapan Hernia Society(以下,JHS)分類L1型を認めた.泌尿器科医師にコンサルトし,後日泌尿器科と合同で手術をする方針とした.2022年5月に腹腔鏡下停留睾丸摘出術とTAPPを施行した.術後経過は良好で,術後2日目に退院となった.成人鼠径ヘルニアに停留精巣が合併す...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 85; no. 7; pp. 963 - 968
Main Authors 中山, 洋, 安田, 卓, 小池, 淳一, 大谷, 泰介, 浜畑, 幸弘, 金谷, 淳志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2024
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.85.963

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Summary:症例は50歳の男性で,数日前から出現した右鼠径部の膨隆と強い疼痛のため,2021年12月に受診した.CT所見からは鼠径ヘルニアの診断は確定しなかったが,患者の強い希望もあり,transabdominal preperitoneal repair(以下,TAPP)の予定で手術を施行したところ,右停留睾丸と鼠径ヘルニアJapan Hernia Society(以下,JHS)分類L1型を認めた.泌尿器科医師にコンサルトし,後日泌尿器科と合同で手術をする方針とした.2022年5月に腹腔鏡下停留睾丸摘出術とTAPPを施行した.術後経過は良好で,術後2日目に退院となった.成人鼠径ヘルニアに停留精巣が合併する症例は本邦ではまれであり,文献的考察を加え報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.85.963