慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術におけるburr holeの位置と術後頭頂部感覚障害発現に関する検討
眼窩上神経外側枝 (LSON) は上側頭線内側を併走し, 冠状縫合の直前で内側に向かい, 小分枝に分かれる. われわれの慢性硬膜下血腫28側例の検討では穿孔洗浄術後に3例で頭頂部感覚障害を認めた. Burr holeの位置が上側頭線上かそれより内側, かつ冠状縫合付近であったため, 皮切時にLSONを損傷したと考えられた. 一方, 冠状縫合より1cm以上後方にburr holeを設けた全例で, 術後頭頂部感覚障害は認めなかった. また, 眼窩外側上部付近から上側頭線に沿って, 冠状縫合までの距離は64.1±5.7mmであった. よって, 頭皮上で眼窩外側上部付近から上側頭線に沿って少なくとも8...
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Published in | 脳神経外科ジャーナル Vol. 23; no. 6; pp. 499 - 502 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本脳神経外科コングレス
2014
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Subjects | |
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ISSN | 0917-950X 2187-3100 |
DOI | 10.7887/jcns.23.499 |
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Summary: | 眼窩上神経外側枝 (LSON) は上側頭線内側を併走し, 冠状縫合の直前で内側に向かい, 小分枝に分かれる. われわれの慢性硬膜下血腫28側例の検討では穿孔洗浄術後に3例で頭頂部感覚障害を認めた. Burr holeの位置が上側頭線上かそれより内側, かつ冠状縫合付近であったため, 皮切時にLSONを損傷したと考えられた. 一方, 冠状縫合より1cm以上後方にburr holeを設けた全例で, 術後頭頂部感覚障害は認めなかった. また, 眼窩外側上部付近から上側頭線に沿って, 冠状縫合までの距離は64.1±5.7mmであった. よって, 頭皮上で眼窩外側上部付近から上側頭線に沿って少なくとも8cm以上後方にburr holeを設けることで, 術後頭頂部感覚障害をより軽減できると考えられた. |
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ISSN: | 0917-950X 2187-3100 |
DOI: | 10.7887/jcns.23.499 |