脳卒中片麻痺による下肢装具使用者を対象とした装具および装具提供サービスに関するニーズ評価項目の検討

脳卒中患者は下肢装具を使用する機会が多いが、現状ではユーザのニーズが十分に反映され、充足しているか評価が難しい。本研究の目的は、ユーザ視点に基づくニーズの充足の評価に有効な因子と評価項目を明らかにニーズの充足の程度を評価する手段を得ることを目的とする。先行研究におけるインタビュー結果に基づいて評価項目を設定し、61名の下肢装具ユーザによる5件法の回答データに対し、因子および評価項目の選定のため、探索的因子分析を実施した。また、項目の信頼性の確保のための評価項目に対する信頼性係数を算出した。その結果、「装具の適合状況の確認および装具使用によるメリット」「装具使用によるデメリット」「装具提供および...

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Published inリハビリテーション・エンジニアリング Vol. 40; no. 1; pp. 47 - 56
Main Authors 三富, 菜々, 佐藤, 健斗, 昆, 恵介, 小林, 大二, 春名, 弘一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本リハビリテーション工学協会 01.02.2025
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ISSN1342-3444
2433-748X
DOI10.24691/resja.40.1_47

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Summary:脳卒中患者は下肢装具を使用する機会が多いが、現状ではユーザのニーズが十分に反映され、充足しているか評価が難しい。本研究の目的は、ユーザ視点に基づくニーズの充足の評価に有効な因子と評価項目を明らかにニーズの充足の程度を評価する手段を得ることを目的とする。先行研究におけるインタビュー結果に基づいて評価項目を設定し、61名の下肢装具ユーザによる5件法の回答データに対し、因子および評価項目の選定のため、探索的因子分析を実施した。また、項目の信頼性の確保のための評価項目に対する信頼性係数を算出した。その結果、「装具の適合状況の確認および装具使用によるメリット」「装具使用によるデメリット」「装具提供および継続使用に関わるサービス」の3つの因子が抽出され、20の評価項目が得られた。これらの評価項目は信頼性係数より、内的整合性の観点から十分な信頼性を有する結果を示した。この項目を取りまとめ「装具サービスニーズ評価尺度」と命名した。本尺度の活用により、装具やサービスへのニーズの充足を評価が可能となり、ユーザニーズを反映による装具およびサービスの改善につながる可能性がある。
ISSN:1342-3444
2433-748X
DOI:10.24691/resja.40.1_47