頻脈と運動制限を呈した飲水量不足の症例に対する飲水行動強化と車椅子駆動動作獲得に対する応用行動分析学的介入の効果
頻脈と身体活動制限を呈した飲水量不足の一症例に,飲水量の増加と車椅子自走自立への応用行動分析学的介入を行った.女性皮膚筋炎患者1名で,移動は車椅子全介助であった.車椅子移動の自立を目的に,200mの自走を目標として理学療法を開始した.練習2日目の運動前後の脈拍数は140から154bpm,125m駆動の所要時間は690秒であり,200mの自走はできなかった.1日の飲水量は650mlで,「トイレが近くなる」と訴え飲水を控えていた.飲水の必要性と効果,飲水量目標を説明し,飲水量のグラフ提示と増加時に賞賛をした.飲水量は,容器に残量を記し,変化を把握しやすいようにした.車椅子自走には,目標距離を段階的...
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Published in | リハビリテーションと応用行動分析学 Vol. 6; pp. 27 - 30 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
リハビリテーションのための応用行動分析学研究会
2016
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Subjects | |
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ISSN | 1884-2658 2759-2588 |
DOI | 10.60400/rehaaba.6.0_27 |
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Summary: | 頻脈と身体活動制限を呈した飲水量不足の一症例に,飲水量の増加と車椅子自走自立への応用行動分析学的介入を行った.女性皮膚筋炎患者1名で,移動は車椅子全介助であった.車椅子移動の自立を目的に,200mの自走を目標として理学療法を開始した.練習2日目の運動前後の脈拍数は140から154bpm,125m駆動の所要時間は690秒であり,200mの自走はできなかった.1日の飲水量は650mlで,「トイレが近くなる」と訴え飲水を控えていた.飲水の必要性と効果,飲水量目標を説明し,飲水量のグラフ提示と増加時に賞賛をした.飲水量は,容器に残量を記し,変化を把握しやすいようにした.車椅子自走には,目標距離を段階的に設定し,距離のグラフ提示と増加時の賞賛を行った.飲水量は練習8日目に1,050mlに増加し,その後も維持された.練習10日目の運動前後の脈拍数は118から130bpm,125m駆動の所要時間は372秒,11日目には200m車椅子自走を獲得した.本介入は,飲水行動を強化し,車椅子自走獲得に寄与した可能性がある. |
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ISSN: | 1884-2658 2759-2588 |
DOI: | 10.60400/rehaaba.6.0_27 |