当院におけるBRCA遺伝学的検査の現状とその特徴
遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)は,狭義にはBRCA1あるいはBRCA2の生殖細胞系列の病的バリアントに起因する乳癌および卵巣癌をはじめとするがんの易罹患性症候群である.どのような人にHBOCの遺伝学的検査を提供するかは重要な課題である.HBOC確認のためのBRCA遺伝学的検査の対象者の選定として,日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構のHBOC診療ガイドラインとNCCNガイドラインの検査基準があるが,両者の基準は一部異なっている.今回,2019年1月~2022年11月に当院でBRCA遺伝学的検査を施行した220名のうち陽性であった58名を対象に,双方の検査基準をどの程度満たしているかを検討した.ま...
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| Published in | 遺伝性腫瘍 Vol. 24; no. 2; pp. 142 - 146 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本遺伝性腫瘍学会
25.10.2024
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 2435-6808 |
| DOI | 10.18976/jsht.24.2_142 |
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| Summary: | 遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)は,狭義にはBRCA1あるいはBRCA2の生殖細胞系列の病的バリアントに起因する乳癌および卵巣癌をはじめとするがんの易罹患性症候群である.どのような人にHBOCの遺伝学的検査を提供するかは重要な課題である.HBOC確認のためのBRCA遺伝学的検査の対象者の選定として,日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構のHBOC診療ガイドラインとNCCNガイドラインの検査基準があるが,両者の基準は一部異なっている.今回,2019年1月~2022年11月に当院でBRCA遺伝学的検査を施行した220名のうち陽性であった58名を対象に,双方の検査基準をどの程度満たしているかを検討した.また,乳癌発症のBRCA1/2病的バリアント保持者30名についても傾向を調査した.双方の検査基準を満たさなかった人数に大きな差は見られなかったが,発症がんや家族歴によって基準を満たさない症例も一部見られた.今後はより多くのBRCA病的バリアントを広い上げるためにも検査基準の見直しが必要と考える. |
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| ISSN: | 2435-6808 |
| DOI: | 10.18976/jsht.24.2_142 |