茨城県の乳用牛群における牛ウイルス性下痢ウイルス持続感染牛の浸潤状況の推移

茨城県における酪農場のバルク乳を用いて,牛ウイルス性下痢ウイルス(BVDV)の持続感染(PI)牛を飼養する農場を特定し,乳用牛群からのPI牛の摘発検査を2018~2023年にかけて実施した.バルク乳検体を用いた抗体検査では,延べ1,713戸中69戸のバルク乳が陽性を示した.バルク乳が抗体陽性を示した69戸中7戸の追跡調査で13頭のPI牛を摘発した.摘発したPI牛はすべて子牛か育成牛であり泌乳牛は含まれなかったため,バルク乳を合乳した集乳車合乳527検体からBVDV遺伝子は検出されなかった.茨城県では,バルク乳及び集乳車合乳からBVDV抗体または遺伝子を検出するスクリーニング法によりBVDVの感...

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Published in日本獣医師会雑誌 Vol. 77; no. 3; pp. e51 - e56
Main Authors 赤上, 正貴, 鈴木, 雅美, 高橋, 覚志, 石田, 祐貴, 藤井, 勇紀, 川西, 菜穂子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 2024
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ISSN0446-6454
2186-0211
DOI10.12935/jvma.77.e51

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Summary:茨城県における酪農場のバルク乳を用いて,牛ウイルス性下痢ウイルス(BVDV)の持続感染(PI)牛を飼養する農場を特定し,乳用牛群からのPI牛の摘発検査を2018~2023年にかけて実施した.バルク乳検体を用いた抗体検査では,延べ1,713戸中69戸のバルク乳が陽性を示した.バルク乳が抗体陽性を示した69戸中7戸の追跡調査で13頭のPI牛を摘発した.摘発したPI牛はすべて子牛か育成牛であり泌乳牛は含まれなかったため,バルク乳を合乳した集乳車合乳527検体からBVDV遺伝子は検出されなかった.茨城県では,バルク乳及び集乳車合乳からBVDV抗体または遺伝子を検出するスクリーニング法によりBVDVの感染源となるPI牛を可能な限り若齢のうちに摘発淘汰することにより効率的にBVDVのまん延を防止できると考えられた.
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.77.e51