成牛のヨーネ菌感染/再感染における感染初期応答の解析

ヨーネ菌に対する感受性は若齢ほど高いとされているが,成牛への感染リスクも報告されている.本研究では,子牛と成牛の初感染時,さらに成牛の再感染時における感染初期(6カ月間)の排菌及び免疫応答の推移を解析した.成牛(2歳3カ月齢)初感染群の2頭は,子牛の初感染時と同様に菌接種後3カ月程度で細胞性免疫の応答が確認され,月齢に関係なくヨーネ菌に感染することが示された.しかし,感染初期の排菌は子牛に比べて散発的で,臓器での菌増殖及び病変形成は限定的であり,月齢による抵抗性の違いが示唆された.さらに,成牛再感染群として,生後1週齢でヨーネ菌を接種し,潜伏感染のまま経過していた2頭に2歳3カ月齢でヨーネ菌を...

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Published in日本獣医師会雑誌 Vol. 78; no. 3; pp. e15 - e21
Main Authors 泉, 一宏, 上野, 勇一, 川治, 聡子, 永田, 礼子, 田中, 省吾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 2025
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ISSN0446-6454
2186-0211
DOI10.12935/jvma.78.e15

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Summary:ヨーネ菌に対する感受性は若齢ほど高いとされているが,成牛への感染リスクも報告されている.本研究では,子牛と成牛の初感染時,さらに成牛の再感染時における感染初期(6カ月間)の排菌及び免疫応答の推移を解析した.成牛(2歳3カ月齢)初感染群の2頭は,子牛の初感染時と同様に菌接種後3カ月程度で細胞性免疫の応答が確認され,月齢に関係なくヨーネ菌に感染することが示された.しかし,感染初期の排菌は子牛に比べて散発的で,臓器での菌増殖及び病変形成は限定的であり,月齢による抵抗性の違いが示唆された.さらに,成牛再感染群として,生後1週齢でヨーネ菌を接種し,潜伏感染のまま経過していた2頭に2歳3カ月齢でヨーネ菌を再接種した.再感染群の臓器から菌分離はされず,子牛期に誘起された獲得免疫により,再感染に対して抵抗性を示すと考えられた.
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.78.e15