関節リウマチに合併した中枢神経発生メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患の2例

メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患 (MTX-LPD) は, 低用量メトトレキサート (MTX) 療法中に発生する医原性疾患である. 関節リウマチのためMTXを内服していた2症例で, MRIで大脳に多発性のリング状造影病変を認めた. 開頭生検術を施行し, 病理組織学的検査でEpstein-Barr virus陽性のびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫を示した. 低用量MTX療法に基づきMTX-LPDと診断し, MTX中止後, 病変は退縮した. MTX-LPDは節外病変主体だが, 中枢神経発生はまれである. MTX-LPDはMTX中止のみで改善することがあり, 本疾患を認識し, 早期に生検術を行い...

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Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 30; no. 7; pp. 530 - 537
Main Authors 山中, 宏孝, 武本, 英樹, 中居, 俊人, 津浦, 光晴, 榎本, 博記, 宮武, 伸行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科コングレス 2021
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.30.530

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Summary:メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患 (MTX-LPD) は, 低用量メトトレキサート (MTX) 療法中に発生する医原性疾患である. 関節リウマチのためMTXを内服していた2症例で, MRIで大脳に多発性のリング状造影病変を認めた. 開頭生検術を施行し, 病理組織学的検査でEpstein-Barr virus陽性のびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫を示した. 低用量MTX療法に基づきMTX-LPDと診断し, MTX中止後, 病変は退縮した. MTX-LPDは節外病変主体だが, 中枢神経発生はまれである. MTX-LPDはMTX中止のみで改善することがあり, 本疾患を認識し, 早期に生検術を行い診断に至ることが重要である.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.30.530