ヒト胎児の胎動計測方法に関するスコーピングレビュー
目的:母体が運動中の胎児の運動を客観的 · 経時的に計測する手法は報告されていない。この手法を検討するにあたり,これまでにどのような胎動の計測方法が報告されているかについてスコーピングレビューにより明らかにする。方法:スコーピングレビューのプロトコルであるPRISMA-ScRに従い,胎児,運動,計測の3つの概念に基づくキーワードを用いた検索式を立て,PubMedにて文献検索を行った。タイトル · アブストラクトによるスクリーニングと本文による適格性の評価を実施し,採用文献の胎動計測方法,計測時間等の情報を抽出した。結果:1,728件の文献が検出され,63件が採用文献となった。客観的な胎動計測に...
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Published in | 小児理学療法学 Vol. 3; no. 1; pp. 81 - 103 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本小児理学療法学会
31.03.2025
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Subjects | |
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ISSN | 2758-6456 |
DOI | 10.60187/jjppt.2307 |
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Summary: | 目的:母体が運動中の胎児の運動を客観的 · 経時的に計測する手法は報告されていない。この手法を検討するにあたり,これまでにどのような胎動の計測方法が報告されているかについてスコーピングレビューにより明らかにする。方法:スコーピングレビューのプロトコルであるPRISMA-ScRに従い,胎児,運動,計測の3つの概念に基づくキーワードを用いた検索式を立て,PubMedにて文献検索を行った。タイトル · アブストラクトによるスクリーニングと本文による適格性の評価を実施し,採用文献の胎動計測方法,計測時間等の情報を抽出した。結果:1,728件の文献が検出され,63件が採用文献となった。客観的な胎動計測には主として加速度計と超音波技術が使用されていた。最長の計測は6.39±1.2時間で加速度計による計測であった。考察:加速度計による計測では胎動の頻度や持続時間などの量的側面を,超音波による計測では量的側面に加えて表情や胎動の種類などの質的側面を評価することを目的とする報告が見られ,その目的に応じた計測方法の選択が必要であることが示唆された。結論:母体が運動中における胎動の計測方法を検討する上では,加速度計が有用であることが示唆された。 |
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ISSN: | 2758-6456 |
DOI: | 10.60187/jjppt.2307 |