千葉県におけるSARS-CoV-2陽性妊婦より出生した児に対する検査の現状―生後24時間の検査陰性での隔離解除を推奨したことによる変化

【背景】SARS-CoV-2陽性妊婦より出生した児の検査については,日本新生児成育医学会の指針に従い,出生児への検査を生後24時間以内と48時間以降に2回行う施設が多い.千葉県では第7波の流行に伴い周産期医療体制がひっ迫したため2022年8月に,「生後24時間経過した時点で検査を行い,陰性確認ができれば通常の正常新生児室の管理を行える」とする緊急指針を,県内の全分娩施設に通知した.【目的】県内各施設のSARS-CoV-2陽性母体の分娩への対応の変化を明らかにする.【方法】2023年2月SARS-CoV-2陽性母体の分娩における母児管理に関するアンケートを,県内の周産期医療を取り扱う主要な17施...

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Published in日本環境感染学会誌 Vol. 39; no. 4; pp. 111 - 116
Main Authors 濱野, 聖菜, 戸石, 悟司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本環境感染学会 25.07.2024
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ISSN1882-532X
1883-2407
DOI10.4058/jsei.39.111

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Summary:【背景】SARS-CoV-2陽性妊婦より出生した児の検査については,日本新生児成育医学会の指針に従い,出生児への検査を生後24時間以内と48時間以降に2回行う施設が多い.千葉県では第7波の流行に伴い周産期医療体制がひっ迫したため2022年8月に,「生後24時間経過した時点で検査を行い,陰性確認ができれば通常の正常新生児室の管理を行える」とする緊急指針を,県内の全分娩施設に通知した.【目的】県内各施設のSARS-CoV-2陽性母体の分娩への対応の変化を明らかにする.【方法】2023年2月SARS-CoV-2陽性母体の分娩における母児管理に関するアンケートを,県内の周産期医療を取り扱う主要な17施設へ配布し回答を集計した.【結果】アンケートは16施設(94.1%)から回答を得た.SARS-CoV-2陽性妊婦より出生した児の検査について,分娩様式を問わず,40%の施設は生後24時間の陰性確認で周囲との隔離を解除とし,60%は生後48時間の陰性確認で隔離解除としていた.いずれも新生児のSARS-CoV-2陽性症例は認めなかった.【考察】千葉県ではSARS-CoV-2陽性母体より出生した児の隔離解除までの期間を短縮する取り組みを行っているが,SARS-CoV-2の感染拡大などの明らかな問題を生じていない.日常診療の負担になりすぎない十分な感染対策を引き続き検討していく.
ISSN:1882-532X
1883-2407
DOI:10.4058/jsei.39.111