鼻腔原発の Glomangiopericytoma の1例

鼻腔(右鼻中隔)原発の Glomangiopericytoma の症例を経験した。症例は 80 歳、男性で、鼻閉感を主訴に前医より紹介受診となった。右鼻腔下鼻甲介前端よりやや後方から、後鼻孔を占拠する表面平滑で、血管豊富な腫瘍を認めた。画像検査および病理組織診の結果、鼻腔原発の Glomangiopericytoma と診断した。生検時易出血性であったものの、腫瘍は鼻腔に限局しており、周囲への浸潤も無かったため、経鼻的内視鏡下腫瘍切除術を施行した。術後合併症および、術後局所再発は認めていない。Glomangiopericytoma は近年まで Hemangiopericytoma と認識されて...

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Published in耳鼻と臨床 Vol. 63; no. 4; pp. 118 - 126
Main Authors 齋藤, 雄一, 中川, 尚志, 田中, 俊一郎, 江島, 正義
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 20.07.2017
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ISSN0447-7227
2185-1034
DOI10.11334/jibi.63.4_118

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Summary:鼻腔(右鼻中隔)原発の Glomangiopericytoma の症例を経験した。症例は 80 歳、男性で、鼻閉感を主訴に前医より紹介受診となった。右鼻腔下鼻甲介前端よりやや後方から、後鼻孔を占拠する表面平滑で、血管豊富な腫瘍を認めた。画像検査および病理組織診の結果、鼻腔原発の Glomangiopericytoma と診断した。生検時易出血性であったものの、腫瘍は鼻腔に限局しており、周囲への浸潤も無かったため、経鼻的内視鏡下腫瘍切除術を施行した。術後合併症および、術後局所再発は認めていない。Glomangiopericytoma は近年まで Hemangiopericytoma と認識されていたものである。良性腫瘍であるが、報告により差はあるものの術後局所再発率が高く、外科的治療に際しては完全切除が求められる。本症例のように鼻腔に限局している場合、経鼻内視鏡下手術は有効であると思われた。
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi.63.4_118