脳波駆動機器における動作信頼性評価および誤動作率低減に関する検討
近年、少子高齢化に伴う介護支援の労働力不足が社会的問題として認識されている。そのような社会的背景の中で、脳波で外部機器を非接触制御する技術(Brain-Computer Interface: BCI)は盛んに研究されている。しかし、BCIが社会に還元され日常生活のサポートに応用される速度は鈍い現状にある。その要因として、高コストや複雑な制御動作を要することに起因するシステムの不安定性等がある。これらのことから、本研究では、シリアル動作に特化するというシステムの単純化を図るBCIを構築し、その動作信頼性(課題成功率・誤動作率)を評価してきた。その結果、技術的課題として、モータの制御手法が不適切で...
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          | Published in | 科学・技術研究 Vol. 8; no. 2; p. 113 | 
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| Main Authors | , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            科学・技術研究会
    
        2019
     | 
| Subjects | |
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| ISSN | 2186-4942 2187-1590  | 
| DOI | 10.11425/sst.8.113 | 
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| Summary: | 近年、少子高齢化に伴う介護支援の労働力不足が社会的問題として認識されている。そのような社会的背景の中で、脳波で外部機器を非接触制御する技術(Brain-Computer Interface: BCI)は盛んに研究されている。しかし、BCIが社会に還元され日常生活のサポートに応用される速度は鈍い現状にある。その要因として、高コストや複雑な制御動作を要することに起因するシステムの不安定性等がある。これらのことから、本研究では、シリアル動作に特化するというシステムの単純化を図るBCIを構築し、その動作信頼性(課題成功率・誤動作率)を評価してきた。その結果、技術的課題として、モータの制御手法が不適切であることや、簡易脳波計の評価精度が低いこと等 が挙げられた。本稿では、モータの制御手法を変更した方式を提案し、従来手法と提案手法間における①課題成功率の向上効果、②誤動作率の低減効果 について評価した。実験では、各被験者(n = 10)に対して、両手法によるモータ制御実験を5回ずつ実施した。その結果、評価項目①では全被験者において課題成功率の向上を確認した。また、評価項目②においても同様に、全被験者において誤動作率の低減を確認した。その後、両項目について10名のデータからそれぞれ平均を算出し、有意水準1 % で対応のあるt検定を実施した。その結果、課題成功率が13.3 % 有意に増加、誤動作率が8.8 % 有意に低下した(p < .01)。このことから、従来手法よりも提案手法の方がより随意性・安全性に優れることが示唆された。 | 
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| ISSN: | 2186-4942 2187-1590  | 
| DOI: | 10.11425/sst.8.113 |