山本論文に対するEditorial Comment 新型インフルエンザA(H1N1)による心筋炎
2009年に新型インフルエンザA(H1N1)によるパンデミックが発生してから, 新型インフルエンザに関連する心筋炎の報告がいくつかなされている. 2010年に米国から, 80名の新型インフルエンザで入院した小児患者のうち, 4名の新型インフルエンザに関連した急性心筋炎患者の報告がある1). この報告では, 4名のうち3名が劇症化し, 1例が死亡, 2例が機械的循環補助にて救命されている. これまではあまり一般的ではなかったインフルエンザに関連した劇症型心筋炎も, 新型インフルエンザにおいては, そう低くない頻度で生じ得る可能性があるとされている. 当院においても, 新型インフルエンザに関連した...
Saved in:
Published in | 心臓 Vol. 44; no. 6; pp. 715 - 716 |
---|---|
Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
15.06.2012
日本心臓財団・日本循環器学会 |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.44.715 |
Cover
Summary: | 2009年に新型インフルエンザA(H1N1)によるパンデミックが発生してから, 新型インフルエンザに関連する心筋炎の報告がいくつかなされている. 2010年に米国から, 80名の新型インフルエンザで入院した小児患者のうち, 4名の新型インフルエンザに関連した急性心筋炎患者の報告がある1). この報告では, 4名のうち3名が劇症化し, 1例が死亡, 2例が機械的循環補助にて救命されている. これまではあまり一般的ではなかったインフルエンザに関連した劇症型心筋炎も, 新型インフルエンザにおいては, そう低くない頻度で生じ得る可能性があるとされている. 当院においても, 新型インフルエンザに関連した31歳女性の劇症型心筋炎を経験しているが, 一時的な大動脈内バルーンパンピングおよび経皮的心肺補助装置の使用により救命に成功した. また, 日本循環器学会は2009年10月よりホームページ上で「新型インフルエンザ心筋炎症例の情報提供依頼」を行うとともに, 新型インフルエンザ心筋炎の後ろ向き研究を開始し, その結果を報告している2). |
---|---|
ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.44.715 |