児童・生徒の学年と歩行中および自転車運転中の交通事故死傷者数の関係 進学後の変化に注目して

「緒言」将来を担う子どもの交通事故の防止を企図した安全教育や道路環境整備に資する知見を得るために, 子どもの交通事故実態を集計分析する研究が行われることが少なくない(例. 交通事故総合分析センター, 2017; 樋口・小早川・稲垣, 2014; 本田, 2015; 宮崎・森本, 2016; 斉藤, 1997). 子どもの交通事故の分析において重要と思われる一つの点は, 子どもが発達の途上にある年齢段階であることを考慮することである. 本研究が対象とする小学生から高校生までの期間, 子どもは身体的な側面はもちろん, 認知能力や社会性といった心理的な側面でも著しい発達的変化を見せる. これらの変化...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in交通心理学研究 Vol. 35; no. 1; pp. 10 - 25
Main Authors 矢野, 伸裕, 森, 健二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本交通心理学会 2019
Online AccessGet full text
ISSN0910-9749
2435-0028
DOI10.34362/jatp.35.10

Cover

More Information
Summary:「緒言」将来を担う子どもの交通事故の防止を企図した安全教育や道路環境整備に資する知見を得るために, 子どもの交通事故実態を集計分析する研究が行われることが少なくない(例. 交通事故総合分析センター, 2017; 樋口・小早川・稲垣, 2014; 本田, 2015; 宮崎・森本, 2016; 斉藤, 1997). 子どもの交通事故の分析において重要と思われる一つの点は, 子どもが発達の途上にある年齢段階であることを考慮することである. 本研究が対象とする小学生から高校生までの期間, 子どもは身体的な側面はもちろん, 認知能力や社会性といった心理的な側面でも著しい発達的変化を見せる. これらの変化は, 児童・生徒期の子どもの交通事故の様相にさまざまな影響をもたらすであろう. したがって, 子どもの・交通事故を年齢や学年との関係でみていくような分析は, 子どもの交通事故の様相を理解するうえで有用な基礎資料を提供するものになると思われる.
ISSN:0910-9749
2435-0028
DOI:10.34362/jatp.35.10