大気の環境変化と鼻腔通気度 環境調整装置を用いた寒冷負荷による検討

正常者を対象とし, 環境調査装置を用いて室温を25℃から15℃へ低下させ, 鼻腔抵抗を測定した. 全体の平均値としては鼻腔抵抗は室温低下により上昇したが, 個々の鼻腔抵抗の変動のパターンは室温低下により抵抗が上昇するものと, 変化を示さないものの2つの型に分けられた. 同じ個体でもその時によって異なる型の反応を示すことが多く, 夏期の実験では抵抗の上昇がみられやすく, 冬期の実験では変化を示さない傾向が認められた. また, 室温低下前の25℃の環境における鼻腔抵抗値は夏期よりも冬期の方が高値であった. 心拍数の変動および起立試験による鼻腔抵抗値の変動と, 室温低下による鼻腔抵抗の変動との間には...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 95; no. 11; pp. 1785 - 1799,1893
Main Author 佐野, 肇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.11.1992
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.95.1785

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Summary:正常者を対象とし, 環境調査装置を用いて室温を25℃から15℃へ低下させ, 鼻腔抵抗を測定した. 全体の平均値としては鼻腔抵抗は室温低下により上昇したが, 個々の鼻腔抵抗の変動のパターンは室温低下により抵抗が上昇するものと, 変化を示さないものの2つの型に分けられた. 同じ個体でもその時によって異なる型の反応を示すことが多く, 夏期の実験では抵抗の上昇がみられやすく, 冬期の実験では変化を示さない傾向が認められた. また, 室温低下前の25℃の環境における鼻腔抵抗値は夏期よりも冬期の方が高値であった. 心拍数の変動および起立試験による鼻腔抵抗値の変動と, 室温低下による鼻腔抵抗の変動との間には相関はみられなかった.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.95.1785