中耳粘膜を介する中耳換気能 笑気吸入による中耳圧変化より

笑気吸入時の中耳圧変化をティンパノメトリーを用いて67例測定し, 中耳粘膜を介する中耳換気能について検討した. その結果, 1) 笑気吸入による中耳圧変化の個体差が非常に大きい, 2) 若年者ほど中耳圧変化が大きい, 3) 中耳腔容積が小さいものほど中耳圧変化が大きいことが分かった. 特に4歳から7歳の小児において笑気吸入に伴う中耳圧変化は著明で, この現象は中耳腔の大きさのみでは説明できないものであった. このことから, 小児の中耳腔は中耳粘膜を介する換気能が亢進しており, 呼吸状態の変化に伴って中耳圧が容易に変化しやすいものと考えられた....

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 96; no. 11; pp. 1861 - 1868,2011
Main Authors 今給黎, 泰二郎, 大山, 勝, 大野, 文夫, 昇, 卓夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.11.1993
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.96.1861

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Summary:笑気吸入時の中耳圧変化をティンパノメトリーを用いて67例測定し, 中耳粘膜を介する中耳換気能について検討した. その結果, 1) 笑気吸入による中耳圧変化の個体差が非常に大きい, 2) 若年者ほど中耳圧変化が大きい, 3) 中耳腔容積が小さいものほど中耳圧変化が大きいことが分かった. 特に4歳から7歳の小児において笑気吸入に伴う中耳圧変化は著明で, この現象は中耳腔の大きさのみでは説明できないものであった. このことから, 小児の中耳腔は中耳粘膜を介する換気能が亢進しており, 呼吸状態の変化に伴って中耳圧が容易に変化しやすいものと考えられた.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.96.1861