奥羽大学歯学部附属病院における特別養護老人ホーム入所者への歯科訪問診療について
目的:奥羽大学歯学部附属病院が行っている特別養護老人ホーム入所者への歯科訪問診療の現状について調査したので報告する。 方法:本学附属病院が歯科訪問診療を実施している特別養護老人ホーム入所者262名を対象とした。調査項目は年齢,性別,現在歯数,要介護度,経管栄養の有無,および治療内容とした。要介護度と経管栄養の有無は患者が入所している施設の記録から,その他のデータは診療録から後ろ向きに収集して統計的に解析をした。 結果:調査対象者の平均年齢は85.2±8.4歳であった。男性は50名(19.1%)で,女性は212名(80.9%)であった。要介護度は3度以下が55名(21.0%),4度が154名(5...
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| Published in | 老年歯科医学 Vol. 39; no. 4; pp. 225 - 233 |
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| Main Authors | , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本老年歯科医学会
2025
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0914-3866 1884-7323 |
| DOI | 10.11259/jsg.39.4_225 |
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| Summary: | 目的:奥羽大学歯学部附属病院が行っている特別養護老人ホーム入所者への歯科訪問診療の現状について調査したので報告する。 方法:本学附属病院が歯科訪問診療を実施している特別養護老人ホーム入所者262名を対象とした。調査項目は年齢,性別,現在歯数,要介護度,経管栄養の有無,および治療内容とした。要介護度と経管栄養の有無は患者が入所している施設の記録から,その他のデータは診療録から後ろ向きに収集して統計的に解析をした。 結果:調査対象者の平均年齢は85.2±8.4歳であった。男性は50名(19.1%)で,女性は212名(80.9%)であった。要介護度は3度以下が55名(21.0%),4度が154名(58.8%),5度が53名(20.2%)であった。治療内容では,多い順に口腔衛生管理が206名(78.6%)であり,義歯調整が118名(45.0%),義歯修理が74名(28.2%)であった。口腔衛生管理を実施した206名を対象に,月ごとの実施回数と関連する要因について順序ロジスティック回帰分析を用いて解析した結果では,現在歯数(p<0.001),経鼻経管栄養の有無(p=0.014),および胃瘻の有無(p=0.002)が有意な独立変数であった。 結語:本学附属病院における特別養護老人ホームへの歯科訪問診療で最も多かったのは口腔衛生管理であった。また,月ごとの口腔衛生管理の実施回数においては現在歯数,要介護度,経管栄養が関与していた。今後は対象者数を増やし,さらに詳細な分析を実施していく予定である。 |
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| ISSN: | 0914-3866 1884-7323 |
| DOI: | 10.11259/jsg.39.4_225 |