Modified Dolenc approachが有用であった脳底動脈-上小脳動脈瘤の一例

脳後方循環動脈瘤は脳深部に存在するため手術到達が困難な部位の一つであり,近年は血管内コイル塞栓術が第一選択とされる施設が多い.しかし,様々な理由で外科的治療の選択肢が必要とされることが想定される.脳底動脈-上小脳動脈瘤に対し開頭クリッピング術を行い良好な結果を得た一例を経験したので報告する.症例は70代の女性で,incidentalに見つかった脳底動脈-上小脳動脈瘤に対し開頭クリッピング術を施行した.術中所見からAnterior temporal approach困難と判断しModified Dolenc approachへ変更し頚部クリッピングが可能であった.脳底動脈遠位部瘤に対して,良好な...

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Published in島根県立中央病院医学雑誌 Vol. 48; no. 1; pp. 67 - 71
Main Authors 堀江, 信貴, 落合, 淳一郎, 奥, 真一朗, 井川, 房夫, 日髙, 敏和, 三島, 寛人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 島根県立中央病院 10.03.2024
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ISSN0289-5455
2435-0710
DOI10.34345/spch.48.1_67

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Summary:脳後方循環動脈瘤は脳深部に存在するため手術到達が困難な部位の一つであり,近年は血管内コイル塞栓術が第一選択とされる施設が多い.しかし,様々な理由で外科的治療の選択肢が必要とされることが想定される.脳底動脈-上小脳動脈瘤に対し開頭クリッピング術を行い良好な結果を得た一例を経験したので報告する.症例は70代の女性で,incidentalに見つかった脳底動脈-上小脳動脈瘤に対し開頭クリッピング術を施行した.術中所見からAnterior temporal approach困難と判断しModified Dolenc approachへ変更し頚部クリッピングが可能であった.脳底動脈遠位部瘤に対して,良好な術野を得るために様々なアプローチ法が開発されてきた.硬膜外操作における固有硬膜の剥離には,神経損傷のリスクが存在するため,この操作を必要最低限にとどめつつ十分なworking spaceを確保するためのわれわれの工夫について報告する.
ISSN:0289-5455
2435-0710
DOI:10.34345/spch.48.1_67