認知症高齢者の生活支援に向けた地域包括支援センター保健師のコーディネーション尺度の開発
目的:認知症高齢者の生活支援に向けた地域包括支援センター保健師のコーディネーション尺度を開発することである.方法:尺度原案の作成は,地域包括支援センター保健師の半構成的面接からアイテムプールを作成し,認知症高齢者,地域包括支援センター保健師活動,コーディネーションに精通している実務者と研究者に表面妥当性と内容妥当性を確認し57項目を選定した.信頼性と妥当性の検討は,全国の地域包括支援センター414施設499人の保健師を対象に,郵送法による無記名自己記入式質問紙調査を行った.結果:372人から回答があり有効回答の314人(有効回答率62.9%)を調査対象とした.項目分析の結果32項目を探索的因子...
Saved in:
Published in | 日本地域看護学会誌 Vol. 23; no. 1; pp. 4 - 12 |
---|---|
Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本地域看護学会
2020
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1346-9657 2432-0803 |
DOI | 10.20746/jachn.23.1_4 |
Cover
Summary: | 目的:認知症高齢者の生活支援に向けた地域包括支援センター保健師のコーディネーション尺度を開発することである.方法:尺度原案の作成は,地域包括支援センター保健師の半構成的面接からアイテムプールを作成し,認知症高齢者,地域包括支援センター保健師活動,コーディネーションに精通している実務者と研究者に表面妥当性と内容妥当性を確認し57項目を選定した.信頼性と妥当性の検討は,全国の地域包括支援センター414施設499人の保健師を対象に,郵送法による無記名自己記入式質問紙調査を行った.結果:372人から回答があり有効回答の314人(有効回答率62.9%)を調査対象とした.項目分析の結果32項目を探索的因子分析し,3因子25項目が抽出された.下位尺度は「認知症症状が生活に及ぼす影響をアセスメントする」「地域のなかで認知症高齢者を支える社会資源を創出する」「認知症高齢者を医療と介護の関係機関につなぐ」と命名した.Cronbach’s α係数は0.90~0.957,再テスト法による相関係数は0.818~0.869で,信頼性が確認された.外部基準尺度との関連ではすべてに正の有意な相関を認め,確証的因子分析による適合度は一定の許容範囲であったことから妥当性が確認された.結論:本開発尺度は3因子25項目からなり,一定の信頼性と妥当性を備えた尺度であることが確認された.今後本開発尺度の活用により,コーディネーション力の自己評価と自己研鑽の糸口になることが望まれる. |
---|---|
ISSN: | 1346-9657 2432-0803 |
DOI: | 10.20746/jachn.23.1_4 |