上顎洞迷入インプラントに対する内視鏡下鼻内副鼻腔手術の検討

上顎洞へ迷入したインプラントの摘出方法は、以前は犬歯窩アプローチでの摘出が多くを占めていたが、近年は耳鼻咽喉科医による内視鏡下鼻内副鼻腔手術(endoscopic endonasalsinus surgery、以下 ESS と略す)の報告も散見するようになってきた。今回、当科で上顎洞迷入インプラントに対し ESS を施行した症例について検討した。全症例とも中鼻道の上顎洞自然口を開大することでインプラントを摘出することができた。また、ほかの副鼻腔への操作と鼻腔形態改善手術を併用することで、良好な経過をたどった。予後もよく ESS は上顎洞迷入インプラントと、それに伴う副鼻腔炎の治療には有効な治療...

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Published in耳鼻と臨床 Vol. 69; no. 1; pp. 26 - 31
Main Authors 宮﨑, 健, 田中, 隆行, 西平, 弥子, 西, 憲祐, 城戸, 寛史, 山野, 貴史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 20.01.2023
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ISSN0447-7227
2185-1034
DOI10.11334/jibi.69.1_26

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Summary:上顎洞へ迷入したインプラントの摘出方法は、以前は犬歯窩アプローチでの摘出が多くを占めていたが、近年は耳鼻咽喉科医による内視鏡下鼻内副鼻腔手術(endoscopic endonasalsinus surgery、以下 ESS と略す)の報告も散見するようになってきた。今回、当科で上顎洞迷入インプラントに対し ESS を施行した症例について検討した。全症例とも中鼻道の上顎洞自然口を開大することでインプラントを摘出することができた。また、ほかの副鼻腔への操作と鼻腔形態改善手術を併用することで、良好な経過をたどった。予後もよく ESS は上顎洞迷入インプラントと、それに伴う副鼻腔炎の治療には有効な治療法であった。ただし、今後も迷入異物のサイズや位置を十分に検討し、最適なアプローチを選択する必要があるものと思われた。
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi.69.1_26