鼻症状で受診した症例の特異的 IgE 抗体について − 鼻アレルギーを中心とした沖縄県の特徴

目的:沖縄県は全国とは異なる特異的 IgE 抗体保有状況があり、直近 10 年の変化を調査した。対象および方法:コナヒョウヒダニ(ダニ)、ハウスダスト 1(HD)、ネコ皮屑、イヌ皮屑、スギ、カンジダ、アスペルギルスの特異的 IgE 抗体検査結果を解析した。結果:鼻症状を持つ 269 例の解析を行った。鼻アレルギー群で最も陽性率が高く、少なくとも 1 項目で陽性である率は鼻アレルギー群 91.5%、次いで好酸球性副鼻腔炎・アレルギー性副鼻腔真菌症群 45.5%であった。鼻アレルギー群ではダニ 88.2%、HD 83.2%、ネコ皮屑 30.2%が陽性で全国と比較して高率であった。一方スギ 8.4%...

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Published in耳鼻と臨床 Vol. 68; no. 2; pp. 77 - 82
Main Authors 仲宗根, 和究, 當山, 昌那, 真栄田, 裕行, 宮平, 貴裕, 比嘉, 朋代, 平川, 仁, 嘉陽, 祐紀, 武田, 翔吾, 鈴木, 幹男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 20.03.2022
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ISSN0447-7227
2185-1034
DOI10.11334/jibi.68.2_77

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Summary:目的:沖縄県は全国とは異なる特異的 IgE 抗体保有状況があり、直近 10 年の変化を調査した。対象および方法:コナヒョウヒダニ(ダニ)、ハウスダスト 1(HD)、ネコ皮屑、イヌ皮屑、スギ、カンジダ、アスペルギルスの特異的 IgE 抗体検査結果を解析した。結果:鼻症状を持つ 269 例の解析を行った。鼻アレルギー群で最も陽性率が高く、少なくとも 1 項目で陽性である率は鼻アレルギー群 91.5%、次いで好酸球性副鼻腔炎・アレルギー性副鼻腔真菌症群 45.5%であった。鼻アレルギー群ではダニ 88.2%、HD 83.2%、ネコ皮屑 30.2%が陽性で全国と比較して高率であった。一方スギ 8.4%、カモガヤ 6.1%、ブタクサ 3.1%であった。鼻アレルギー群の重複抗原陽性率は低く、ダニのクラスが大きいほど重複抗原陽性率が高くなっていた。結論:ダニ、HD の感作率は上昇しており、住生活環境に関する指導が重要である。またネコ皮屑に対する抗体保有率が上昇しており、今後の動向を注視する必要がある。一方、花粉症に対するヘルスツーリズムには沖縄県は最適の地といえる。
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi.68.2_77