くも膜下腔や脳室内に散在する脂肪滴を伴う囊胞性破裂成熟奇形腫の1例

次第に悪化する短期記憶障害の進行および性格変化で発症した59歳女性. 前頭蓋底の囊胞性病変と脳室内・くも膜下腔に散在する脂肪滴を認め, 破裂した類皮囊胞と術前診断した. 開頭にて囊胞開窓と囊胞内容摘出を施行したところ, 囊胞内に充実性病変が確認され, 組織学的に外胚葉, 中胚葉, 内胚葉のすべての分化した成分から構成され, 成熟奇形腫と診断された. 成熟奇形腫の破裂はきわめてまれとされ, 文献的考察も含め, その特徴について考察する....

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Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 28; no. 2; pp. 98 - 103
Main Authors 岡田, 宏美, 茂木, 洋晃, 森島, 穣, 小林, 浩之, 寺坂, 俊介, 寳金, 清博, 山口, 秀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科コングレス 2019
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.28.98

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Summary:次第に悪化する短期記憶障害の進行および性格変化で発症した59歳女性. 前頭蓋底の囊胞性病変と脳室内・くも膜下腔に散在する脂肪滴を認め, 破裂した類皮囊胞と術前診断した. 開頭にて囊胞開窓と囊胞内容摘出を施行したところ, 囊胞内に充実性病変が確認され, 組織学的に外胚葉, 中胚葉, 内胚葉のすべての分化した成分から構成され, 成熟奇形腫と診断された. 成熟奇形腫の破裂はきわめてまれとされ, 文献的考察も含め, その特徴について考察する.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.28.98