BPSDがみられる認知症患者への関わり方の検討

対象は,様々な病院での入院やリハビリテーションを経て療養期病院である当院へ入院した認知症高齢者である.肺炎受傷を期にリハビリテーション室からベッドサイドでのリハビリテーションになると突然BPSDが見られたため,リハビリテーション時のどの刺激がBPSDを誘発しているのか,関わり方の違いによって変化が見られるのか検討した.リハビリテーション時にギャッジアップ角度の調整やセラピストが立位になる等して,対象者がセラピストを常に視覚で確認できる状態であればBPSDはみられず、最終的にBPSDが生じることなく15分間の介入が可能となった.記銘力の低下を視覚的認知による代償にて補填している可能性が高い認知症...

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Published inリハビリテーションと応用行動分析学 Vol. 9; pp. 7 - 11
Main Authors 田辺, 尚, 小山内, 望, 遠藤, 晃祥
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published リハビリテーションのための応用行動分析学研究会 2022
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ISSN1884-2658
2759-2588
DOI10.60400/rehaaba.9.0_7

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Summary:対象は,様々な病院での入院やリハビリテーションを経て療養期病院である当院へ入院した認知症高齢者である.肺炎受傷を期にリハビリテーション室からベッドサイドでのリハビリテーションになると突然BPSDが見られたため,リハビリテーション時のどの刺激がBPSDを誘発しているのか,関わり方の違いによって変化が見られるのか検討した.リハビリテーション時にギャッジアップ角度の調整やセラピストが立位になる等して,対象者がセラピストを常に視覚で確認できる状態であればBPSDはみられず、最終的にBPSDが生じることなく15分間の介入が可能となった.記銘力の低下を視覚的認知による代償にて補填している可能性が高い認知症高齢者への対応として,これから行う介入内容を事前に丁寧に説明し,更に誰が何をしているのか視覚で確認できるような環境設定を行うことが,認知症を呈した対象者のBPSD発生の防止に繋がり,対象者と介護者の両者共により良い生活を送る上でも重要なことであると考える.
ISSN:1884-2658
2759-2588
DOI:10.60400/rehaaba.9.0_7