後交通動脈infundibular dilatationに発生した破裂動脈瘤5例についての検討

後交通動脈 infundibular dilatation(PcomA ID)に発生した破裂動脈瘤の5例について検討を行った.対象期間における全破裂動脈瘤は75例であり,その頻度は6.7%であった.性別は全例が女性で,年齢は70代 2例,40代 1例,30代 2例で,若年者にやや多い傾向が認められた.大きさは平均1.9×2.4mmと小さく,またその形状はPcomA IDの壁の一部に発生したbleb type動脈瘤であった.すべての動脈瘤はPcomA IDの遠位外弯側に発生していた.この理由として,PcomA IDの壁への圧力,血流の衝突力およびずり応力の関与が推測された.PcomA IDに発生...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 53; no. 3; pp. 165 - 171
Main Authors 徳重, 一雄, 都築, 伸介, 豊岡, 輝繁, 南村, 鎌三, 小林, 聡, 向, 祐樹, 近藤, 竜史, 安藤, 俊平, 日高, 幸宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2025
Subjects
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.53.165

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Summary:後交通動脈 infundibular dilatation(PcomA ID)に発生した破裂動脈瘤の5例について検討を行った.対象期間における全破裂動脈瘤は75例であり,その頻度は6.7%であった.性別は全例が女性で,年齢は70代 2例,40代 1例,30代 2例で,若年者にやや多い傾向が認められた.大きさは平均1.9×2.4mmと小さく,またその形状はPcomA IDの壁の一部に発生したbleb type動脈瘤であった.すべての動脈瘤はPcomA IDの遠位外弯側に発生していた.この理由として,PcomA IDの壁への圧力,血流の衝突力およびずり応力の関与が推測された.PcomA IDに発生したbleb type動脈瘤は,小さくとも破裂する可能性があり,未破裂症例に遭遇した場合には注意を要する.特に若年女性症例に対しては,厳重な画像追跡が必要であり,積極的な破裂予防治療も検討されるべきであると思われた.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.53.165