女性関節リウマチ患者の抑うつに対するストレスマネジメントの検討
目的:女性関節リウマチ患者を対象に,抑うつに対するストレスマネジメントの実態を明らかにすることを目的とした.対象・方法:対象は,リウマチ膠原病外来で通院治療中の女性RA患者150名とした.外来待ち時間を利用して,無記名自記式質問紙調査(日常生活動作,患者全般評価VAS,日本語版うつ病自己評価尺度)やストレスの内容,対処方法等について調査した.記述統計を行った後,抑うつ傾向の有無で2群に分けて比較検討した.結果:145名を分析対象とした.抑うつ傾向を示したのは18名(12.4%)で,抑うつ傾向群は,日常生活動作(p=0.002),患者の全般評価VAS(p=0.015)において有意に高値を示した....
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Published in | 臨床リウマチ Vol. 34; no. 4; pp. 275 - 282 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
2022
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Subjects | |
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ISSN | 0914-8760 2189-0595 |
DOI | 10.14961/cra.34.275 |
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Summary: | 目的:女性関節リウマチ患者を対象に,抑うつに対するストレスマネジメントの実態を明らかにすることを目的とした.対象・方法:対象は,リウマチ膠原病外来で通院治療中の女性RA患者150名とした.外来待ち時間を利用して,無記名自記式質問紙調査(日常生活動作,患者全般評価VAS,日本語版うつ病自己評価尺度)やストレスの内容,対処方法等について調査した.記述統計を行った後,抑うつ傾向の有無で2群に分けて比較検討した.結果:145名を分析対象とした.抑うつ傾向を示したのは18名(12.4%)で,抑うつ傾向群は,日常生活動作(p=0.002),患者の全般評価VAS(p=0.015)において有意に高値を示した.ストレスマネジメントでは,抑うつ傾向群は,病気や仕事,家庭に加えて日常生活の困難さをストレスとして感じていた.対処法には2群間に有意差はなかったが,自信の程度は抑うつ傾向群が有意に低かった.結論:女性RA患者は,日常生活の困難さなどのストレスに対して情動的な対処行動で対処を行っていた.抑うつ傾向を示す女性RA患者は,主観的評価が低く自信が低かった.医療者は,患者のメンタル面も考慮し、共同意思決定を行い支援することが必要である. |
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ISSN: | 0914-8760 2189-0595 |
DOI: | 10.14961/cra.34.275 |