先行刺激関係における神経・行動変容:連合性ペア刺激による脳賦活効果

健常高齢者1名を対象とし,後続刺激が存在しない環境条件において行動に伴う感覚信号に同期あるいは非同期した連合性ペア刺激によって行動が変化するか否かを検証した.行動課題は電子音の開始合図に応じて右示指を最大可動域まで素早く外転する運動とした.研究デザインにはAB法を用い,非同期条件に引き続いて同期条件を実施した.感覚信号が一次運動野に到達する潜時を考慮し,非同期条件では示指外転開始の35.3ms後に一次運動野に経頭蓋磁気刺激を行った.同期条件では,示指外転開始の36.0ms後に同部位に経頭蓋磁気刺激を行った.実験の結果,同期条件において運動誘発電位振幅の増加,反応時間の短縮,最大速度の増加を認め...

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Published inリハビリテーションと応用行動分析学 Vol. 9; pp. 1 - 6
Main Authors 鈴木, 誠, 斎藤, 和夫, 趙, 吉春, 岡部, 拓大, 磯, 直樹, 山本, 淳一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published リハビリテーションのための応用行動分析学研究会 2022
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ISSN1884-2658
2759-2588
DOI10.60400/rehaaba.9.0_1

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Summary:健常高齢者1名を対象とし,後続刺激が存在しない環境条件において行動に伴う感覚信号に同期あるいは非同期した連合性ペア刺激によって行動が変化するか否かを検証した.行動課題は電子音の開始合図に応じて右示指を最大可動域まで素早く外転する運動とした.研究デザインにはAB法を用い,非同期条件に引き続いて同期条件を実施した.感覚信号が一次運動野に到達する潜時を考慮し,非同期条件では示指外転開始の35.3ms後に一次運動野に経頭蓋磁気刺激を行った.同期条件では,示指外転開始の36.0ms後に同部位に経頭蓋磁気刺激を行った.実験の結果,同期条件において運動誘発電位振幅の増加,反応時間の短縮,最大速度の増加を認めた.明確な後続刺激が存在しない環境条件において,行動に伴う感覚信号に同期あるいは非同期した連合性ペア刺激によって行動が変化することが示唆された.
ISSN:1884-2658
2759-2588
DOI:10.60400/rehaaba.9.0_1