インターナル・マーケティング研究の現状と課題 インターナル・ブランディングの登場を踏まえて

サービス研究において、Berry et al.(1976)がインターナル・マーケティング(以下IMと省略)を提唱して、半世紀を迎えつつある。本稿の目的は、これまでのIM研究の展開を検討し、今後の研究の方向性を明らかにすることである。まず、過去10年間の研究成果をサーベイしたMusa et al.(2021)の研究を概観した。次に、過去40年間のIM研究の総括ともいえるQaisar and Muhamad(2021)の研究を検討し、IMの概念および成果を紹介する。そして、IMもしくはブランド管理の新研究領域としてのインターナル・ブランディング(以下IBと省略)の現状をBarros-Arrieta...

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Published in明治大学社会科学研究所紀要 Vol. 62; no. 1; pp. 76 - 97
Main Author 高橋, 昭夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 明治大学社会科学研究所 20.10.2023
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ISSN0389-5971
2758-7649
DOI10.60209/issmeiji.62.1_76

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Summary:サービス研究において、Berry et al.(1976)がインターナル・マーケティング(以下IMと省略)を提唱して、半世紀を迎えつつある。本稿の目的は、これまでのIM研究の展開を検討し、今後の研究の方向性を明らかにすることである。まず、過去10年間の研究成果をサーベイしたMusa et al.(2021)の研究を概観した。次に、過去40年間のIM研究の総括ともいえるQaisar and Muhamad(2021)の研究を検討し、IMの概念および成果を紹介する。そして、IMもしくはブランド管理の新研究領域としてのインターナル・ブランディング(以下IBと省略)の現状をBarros-Arrieta and García-Cali(2021)の研究によるIBの概念枠組みを手掛かりとして分析した。そして、3つのサーベイ論文を検討して、IMの現状のまとめとして、(1)IMの研究は、この40年間コンスタントに進められていること、(2)業界としては、ほとんどの実証研究は、サービス業界で行われていること、(3)地理的には、アジアでの研究が増加していること、(4)研究領域がマーケティング論から人的資源管理論および組織行動論の領域へ拡張していること、そして、(5)ブランド管理を組織内部へ拡張する研究として、IB研究が登場したこと、が明らかとなった。最後に、今後の研究課題を提示した。
ISSN:0389-5971
2758-7649
DOI:10.60209/issmeiji.62.1_76