人工心肺における安全管理の現状 JaSECTアンケート2013のインシデント報告より

安全な体外循環に向けて実施した「人工心肺ならびに補助循環に関するインシデント・アクシデントおよび安全に関するアンケート2013」の集計結果を基に人工心肺における安全管理の現状について検討を行ったので報告する。 2011年と2012年に行われた人工心肺使用症例を対象としたアンケートは、552施設中423施設が回答し、回収率は76.6%であった。対象期間中に実施された人工心肺症例数は72,015症例(2011年:35,015症例、2012年:37,000症例)で、患者影響レベルにかかわらず何らかの事象が発生した件数は1,323件でその発生率は1.8%であった。 リスクマネージメントの側面からチェッ...

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Published in体外循環技術 Vol. 42; no. 4; pp. 381 - 392
Main Authors 安野, 誠, 吉田, 靖, 高井, 浩司, 薗田, 誠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体外循環技術医学会 01.12.2015
日本体外循環技術医学会
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ISSN0912-2664
1884-5452
DOI10.7130/jject.42.381

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Summary:安全な体外循環に向けて実施した「人工心肺ならびに補助循環に関するインシデント・アクシデントおよび安全に関するアンケート2013」の集計結果を基に人工心肺における安全管理の現状について検討を行ったので報告する。 2011年と2012年に行われた人工心肺使用症例を対象としたアンケートは、552施設中423施設が回答し、回収率は76.6%であった。対象期間中に実施された人工心肺症例数は72,015症例(2011年:35,015症例、2012年:37,000症例)で、患者影響レベルにかかわらず何らかの事象が発生した件数は1,323件でその発生率は1.8%であった。 リスクマネージメントの側面からチェックリスト、ダブルチェック並びに安全装置については、その使用方法が重要であるとともに、アクシデントだけでなくインシデントあるいはヒヤリハットにも目を向け、対策を講じることが重要であると考える。 この集計結果をインシデントの防止に向けた資料の一つとして活用されることを望むとともに、今後も同様の調査を継続して行っていく必要がある。
ISSN:0912-2664
1884-5452
DOI:10.7130/jject.42.381