色覚検査における各種程度判定法の比較
1986年より1990年までの間に愛知県総合保健センター視力診断部色覚外来を受診した色覚異常者296名(第1色盲35名,第1色弱46名,第2色盲122名,第2色弱93名)に対して,AO H-R-R表(H-R-R表),東京医大式色覚検査表(TMC表),大熊曲線表(大熊表)による程度判定と,市川式ランタン,パネルD-15によるpass fail分類を行ない結果を比較した。色盲表3表は色覚異常の程度分類につき,それぞれ独自の基準を持っている。296名のうち3表共に程度判定が一致するものは72名であり,3表共にそれぞれ異なった程度に判定されたものは41名いた。各色盲表の特徴として,H-R-R表は第1異...
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Published in | 日本視能訓練士協会誌 Vol. 20; pp. 182 - 189 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本視能訓練士協会
1992
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0387-5172 1883-9215 |
DOI | 10.4263/jorthoptic.20.182 |
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Summary: | 1986年より1990年までの間に愛知県総合保健センター視力診断部色覚外来を受診した色覚異常者296名(第1色盲35名,第1色弱46名,第2色盲122名,第2色弱93名)に対して,AO H-R-R表(H-R-R表),東京医大式色覚検査表(TMC表),大熊曲線表(大熊表)による程度判定と,市川式ランタン,パネルD-15によるpass fail分類を行ない結果を比較した。色盲表3表は色覚異常の程度分類につき,それぞれ独自の基準を持っている。296名のうち3表共に程度判定が一致するものは72名であり,3表共にそれぞれ異なった程度に判定されたものは41名いた。各色盲表の特徴として,H-R-R表は第1異常,第2異常共に強度に判定されるものは少なく,TMC表では2色型色覚である強度をよく判定した。また,大熊表は第1異常は軽く判定され,第2異常は強く判定される傾向を持った。パネルD-15においては2色型色覚の97%と異常3色型色覚の23%がfailを示し,機能的色盲と色弱および正常とを適度に区別した。また,2色型色覚の殆どが定型的なパターンを示したのに対し,異常3色型色覚では多くが非定型的なパターンを示した。 |
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ISSN: | 0387-5172 1883-9215 |
DOI: | 10.4263/jorthoptic.20.182 |