腹腔鏡下手術を施行した胃癌病変の検討

当院における腹腔鏡下胃切除術を施行した20例(LADG16例,LATG4例)について検討した。リンパ節転移は4例に認め,深達度はMP2例,SM2例であった。病理組織学的所見では,低分化腺癌(混在型を含む)15例であった。術前診断よりも術後診断にて深達度が深かった症例は3例あり,3例ともに低分化腺癌であった。また,病巣の広がりが術前診断よりも術後2倍以上になった症例(長径×短径)は6例あり,長径が2倍以上であった症例はそのうち2例であった。この2例はともに低分化腺癌であり,最も変化の大きかった症例は術前20×15mmと思われた病巣が摘出標本では60×50mmであった。  低分化腺癌(混在型を含む...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 73; no. 2; pp. 50 - 53
Main Authors 亀山, 哲章, 冨田, 眞人, 矢作, 芙美子, 三橋, 宏章, 松本, 伸明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 10.12.2008
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.73.2_50

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Summary:当院における腹腔鏡下胃切除術を施行した20例(LADG16例,LATG4例)について検討した。リンパ節転移は4例に認め,深達度はMP2例,SM2例であった。病理組織学的所見では,低分化腺癌(混在型を含む)15例であった。術前診断よりも術後診断にて深達度が深かった症例は3例あり,3例ともに低分化腺癌であった。また,病巣の広がりが術前診断よりも術後2倍以上になった症例(長径×短径)は6例あり,長径が2倍以上であった症例はそのうち2例であった。この2例はともに低分化腺癌であり,最も変化の大きかった症例は術前20×15mmと思われた病巣が摘出標本では60×50mmであった。  低分化腺癌(混在型を含む)では,病巣の範囲,深達度ともに術前診断が困難な場合があり,術前内視鏡では必要に応じて拡大観察やNBI観察を行うべきである。ESDをTotal biopsyと位置付け施行するという考えもあるが,低分化腺癌はM癌であってもリンパ節転移の可能性があり,当院では,現段階においては腹腔鏡手術を第一選択としている。
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.73.2_50