脳腫瘍治療の現状と近未来

脳腫瘍は多様な発症機序をもった悪性度・予後の異なる疾患群の総称であり, 多くの学会が疾患の診断・治療法の確立に努力している. 脳腫瘍の診断はゲノム診断の時代に入っているが, これは将来のゲノム医療を見据えたものであると予測する. 脳腫瘍の治療に関し, 国際競争力を高めようと考えるなら症例の集約化が大きな課題となるが, 地域・施設格差を改善しようと考えるなら治療水準の均霑化が必要である. この矛盾する2つの問題点をどのようにバランスをとりつつ解決していくかが脳腫瘍治療の大きな課題である. 各学会が協調して取り組むべきテーマであると考える....

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Bibliographic Details
Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 28; no. 1; pp. 8 - 11
Main Author 園田, 順彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科コングレス 2019
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.28.8

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Summary:脳腫瘍は多様な発症機序をもった悪性度・予後の異なる疾患群の総称であり, 多くの学会が疾患の診断・治療法の確立に努力している. 脳腫瘍の診断はゲノム診断の時代に入っているが, これは将来のゲノム医療を見据えたものであると予測する. 脳腫瘍の治療に関し, 国際競争力を高めようと考えるなら症例の集約化が大きな課題となるが, 地域・施設格差を改善しようと考えるなら治療水準の均霑化が必要である. この矛盾する2つの問題点をどのようにバランスをとりつつ解決していくかが脳腫瘍治療の大きな課題である. 各学会が協調して取り組むべきテーマであると考える.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.28.8