くも膜下出血の疫学と転帰

最近 30年間でくも膜下出血頻度は日本のみが増加しているという報告の反論として,我々は,2003年から2015年までの日本のくも膜下出血頻度は減少し,その原因は,生活習慣(高血圧,喫煙等)の改善のためであることを報告した.しかし,日本人のくも膜下出血の頻度は世界一高いがその原因は解明されていない.一方,日本の脳梗塞に比較してくも膜下出血の治療成績は改善されておらず,くも膜下出血後脳損傷や遅発性脳虚血に対する治療が十分とは言えない.今回,日本のくも膜下出血の疫学,転帰と未破裂脳動脈瘤との関連性などについて解説した....

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Bibliographic Details
Published in島根県立中央病院医学雑誌 Vol. 47; no. 1; pp. 3 - 9
Main Author 井川, 房夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 島根県立中央病院 10.03.2023
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ISSN0289-5455
2435-0710
DOI10.34345/spch.47.1_3

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Summary:最近 30年間でくも膜下出血頻度は日本のみが増加しているという報告の反論として,我々は,2003年から2015年までの日本のくも膜下出血頻度は減少し,その原因は,生活習慣(高血圧,喫煙等)の改善のためであることを報告した.しかし,日本人のくも膜下出血の頻度は世界一高いがその原因は解明されていない.一方,日本の脳梗塞に比較してくも膜下出血の治療成績は改善されておらず,くも膜下出血後脳損傷や遅発性脳虚血に対する治療が十分とは言えない.今回,日本のくも膜下出血の疫学,転帰と未破裂脳動脈瘤との関連性などについて解説した.
ISSN:0289-5455
2435-0710
DOI:10.34345/spch.47.1_3