高齢関節リウマチ患者に対するロコモーショントレーニングの効果と問題点
【目的】本研究の目的はロコモーショントレーニングが高齢関節リウマチ患者の身体機能と疾患活動性に及ぼす影響を調査することである.【方法】60歳以上の関節リウマチ患者30例に対し,ロコモーショントレーニングを実施し,開始時と3カ月後の下肢筋力,10m歩行時間,Timed Up-and-Go(TUG)テスト,2ステップ値,疾患活動性などを比較検討した.【結果】ロコモーショントレーニング中3例の患者において関節痛の増悪が認められたため,トレーニングを中止した.またトレーニングと関係のない外傷により1例はトレーニングを中止した.最終的に26例がロコモーショントレーニングを3カ月間実施することができた.股...
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| Published in | 臨床リウマチ Vol. 35; no. 2; pp. 86 - 94 |
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| Main Authors | , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
2023
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0914-8760 2189-0595 |
| DOI | 10.14961/cra.35.86 |
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| Summary: | 【目的】本研究の目的はロコモーショントレーニングが高齢関節リウマチ患者の身体機能と疾患活動性に及ぼす影響を調査することである.【方法】60歳以上の関節リウマチ患者30例に対し,ロコモーショントレーニングを実施し,開始時と3カ月後の下肢筋力,10m歩行時間,Timed Up-and-Go(TUG)テスト,2ステップ値,疾患活動性などを比較検討した.【結果】ロコモーショントレーニング中3例の患者において関節痛の増悪が認められたため,トレーニングを中止した.またトレーニングと関係のない外傷により1例はトレーニングを中止した.最終的に26例がロコモーショントレーニングを3カ月間実施することができた.股関節外転筋力は37.5N(IQR: 27.0, 43.0)から40.5N(IQR: 34.0, 47.0)と有意に上昇した(P<0.001).また10m歩行時間は7.83秒(IQR: 6.93, 9.38)から7.42秒(IQR: 6.12, 8.53)(P=0.026)に,TUGテストは8.28秒(IQR: 7.09, 10.56)から8.06秒(IQR: 6.46, 9.56)(P=0.012)に有意に短縮した.一方,CRPおよびSDAIは開始時と3カ月後で変化はなかった.【結論】ロコモーショントレーニングは高齢関節リウマチ患者の疾患活動性を悪化させず,身体機能を向上させる可能性が示唆された. |
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| ISSN: | 0914-8760 2189-0595 |
| DOI: | 10.14961/cra.35.86 |