ハードシェル静脈リザーバーにおける薬液拡散の性能評価 時定数および薬液濃度比による評価
体外循環中のハードシェル静脈リザーバーへの薬液投与において、投与流量や投与経路については明確な決まりがなく、使用するハードシェル静脈リザーバーの薬液拡散の特性を知ることは重要である。しかし、その評価方法が確立されていないことから、各種ハードシェル静脈リザーバーの添付文書には薬液拡散の性能表示の記載がなく、薬液の投与は操作者の判断に委ねられている。 そこで、本実験ではハードシェル静脈リザーバーから流出する薬液濃度変化に関して解析モデルを立て、液面レベルを変化させた基礎実験を行い、ハードシェル静脈リザーバーの薬液拡散における性能評価方法について検討した。基礎実験結果からは、実験に使用した4種類のハ...
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Published in | 体外循環技術 Vol. 49; no. 2; pp. 87 - 95 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本体外循環技術医学会
01.06.2022
日本体外循環技術医学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0912-2664 1884-5452 |
DOI | 10.7130/jject.49.87 |
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Summary: | 体外循環中のハードシェル静脈リザーバーへの薬液投与において、投与流量や投与経路については明確な決まりがなく、使用するハードシェル静脈リザーバーの薬液拡散の特性を知ることは重要である。しかし、その評価方法が確立されていないことから、各種ハードシェル静脈リザーバーの添付文書には薬液拡散の性能表示の記載がなく、薬液の投与は操作者の判断に委ねられている。 そこで、本実験ではハードシェル静脈リザーバーから流出する薬液濃度変化に関して解析モデルを立て、液面レベルを変化させた基礎実験を行い、ハードシェル静脈リザーバーの薬液拡散における性能評価方法について検討した。基礎実験結果からは、実験に使用した4種類のハードシェル静脈リザーバーの間で薬液拡散能には大きな差はないと考えられた。また、液面レベルが500mL以下の場合には解析モデルをもとに時定数を利用することで評価が可能であると考えられたが、液面レベルが1000mL以上の場合には立ち上がり時間をもとに評価することが妥当であると考えられた。今後は本実験手法をもとに、回路内流量、薬液投与箇所、薬液注入流量の変更を行い、ハードシェル静脈リザーバーの薬液拡散性能の評価方法について検討していきたい。 |
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ISSN: | 0912-2664 1884-5452 |
DOI: | 10.7130/jject.49.87 |