超音波を用いた舌癌における腫瘍進展範囲の評価 生体および切除標本における超音波像と病理標本との比較

舌癌の正確な切除のためには術前に腫瘍の進展範囲についての情報が必要である。進展範囲は生体と切除標本超音波像を用いて計測された。二つの超音波像における腫瘍の進展範囲に関して相違は認められなかった。しかし,生体の超音波像と病理標本における腫瘍の進展範囲とは有意な差があった(p < 0.05)。しかしながら,生体超音波像の進展範囲とヘマトキシリンエオジン染色病理組織標本との間には大きさに関して有意な相関関係があった(p < 0.01)。さらに,回帰分析によると生体超音波像の腫瘍の進展範囲から病理標本の腫瘍の進展範囲を正確に予測することができた(R2:0.52~0.88)。 このように超音...

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Published in日本口腔腫瘍学会誌 Vol. 24; no. 4; pp. 129 - 135
Main Authors 八木原, 一博, 石井, 純一, 柳下, 寿郎, 桂野, 美貴, 宮嶋, 大輔, 住本, 和歌子, 出雲, 俊之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会 15.12.2012
日本口腔腫瘍学会
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ISSN0915-5988
1884-4995
DOI10.5843/jsot.24.129

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Summary:舌癌の正確な切除のためには術前に腫瘍の進展範囲についての情報が必要である。進展範囲は生体と切除標本超音波像を用いて計測された。二つの超音波像における腫瘍の進展範囲に関して相違は認められなかった。しかし,生体の超音波像と病理標本における腫瘍の進展範囲とは有意な差があった(p < 0.05)。しかしながら,生体超音波像の進展範囲とヘマトキシリンエオジン染色病理組織標本との間には大きさに関して有意な相関関係があった(p < 0.01)。さらに,回帰分析によると生体超音波像の腫瘍の進展範囲から病理標本の腫瘍の進展範囲を正確に予測することができた(R2:0.52~0.88)。 このように超音波検査で腫瘍の進展範囲を正確に把握することは舌癌の患者の外科切除を計画するための検査として有用な方法であることが示された。
ISSN:0915-5988
1884-4995
DOI:10.5843/jsot.24.129