下顎非対称を伴う下顎前突症患者に対する両側下顎枝矢状分割術後の経時的機能回復の検討 下顎対称症例との比較研究

「緒言」下顎枝矢状分割術は顎変形症患者に対し多くの施設で採用され, 適応範囲も広い. 下顎非対称症例においても咬合の不調和を改善, あるいは骨格形態の修正による審美性の改善ができる有用な手術法といえる. しかし, 下顎非対称症例においては骨片の移動により骨片間の干渉が生じることが多い. よって術後に顎運動や顎関節へ思わぬ負担を与えていることが懸念される. 過去に, われわれは下顎枝矢状分割術後の咀嚼機能を経時的に観察し報告してきた. 今回, 顎変形症の中でも下顎対称症例と非対称症例との間に咀嚼機能回復に差異がないか比較検討した. 検査項目としては咬合力, 咬合接触面積に加え, 顎関節機能検査と...

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Published in日本顎変形症学会雑誌 Vol. 24; no. 3; pp. 239 - 245
Main Authors 山下, 佳雄, 近藤, 成智, 重松, 正仁, 檀上, 敦, 隅, 康二, 後藤, 昌昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本顎変形症学会 15.08.2014
日本顎変形症学会
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ISSN0916-7048
1884-5045
DOI10.5927/jjjd.24.239

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Summary:「緒言」下顎枝矢状分割術は顎変形症患者に対し多くの施設で採用され, 適応範囲も広い. 下顎非対称症例においても咬合の不調和を改善, あるいは骨格形態の修正による審美性の改善ができる有用な手術法といえる. しかし, 下顎非対称症例においては骨片の移動により骨片間の干渉が生じることが多い. よって術後に顎運動や顎関節へ思わぬ負担を与えていることが懸念される. 過去に, われわれは下顎枝矢状分割術後の咀嚼機能を経時的に観察し報告してきた. 今回, 顎変形症の中でも下顎対称症例と非対称症例との間に咀嚼機能回復に差異がないか比較検討した. 検査項目としては咬合力, 咬合接触面積に加え, 顎関節機能検査と下唇の知覚障害についても術後5年にわたって変化を比較調査した. 「研究方法」対象は2003年から2009年までに佐賀大学医学部附属病院歯科口腔外科で骨格性下顎前突症の診断のもと両側下顎枝矢状分割術のみを行い, 術後5年間の経過観察を行えた46名の女性とした. なお症候性や他の骨切手術を併用した症例は今回の対象からは除外した.
ISSN:0916-7048
1884-5045
DOI:10.5927/jjjd.24.239