MRIとの比較によるABR波形の検討
単耳刺激両側誘導法で測定した小脳橋角部腫瘍5例, 上咽頭腫瘍1例の聴性脳幹反応についてそれぞれのMRI所見と比較検討した。 MRIはGd-DTPA造影T1強調像が最も良好なコントラスト分解能がえられ部位診断に有効であった。 健側刺激患側誘導の聴性脳幹反応所見より, IV波V波の起源が橋の上オリーブ核と関連が深いのではないかと推察した。 術前術後の健側刺激患側誘導のABR記録が波形の起源を考察する上で有用なデータを提供すると考え, 今後同側誘導だけでなく対側誘導も記録する必要を感じた。 健側刺激ABRの振幅増大も小脳橋角部腫瘍を疑う重要な所見の一つではないかと考えた。...
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Published in | AUDIOLOGY JAPAN Vol. 33; no. 4; pp. 266 - 272 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本聴覚医学会
1990
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0303-8106 1883-7301 |
DOI | 10.4295/audiology.33.266 |
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Summary: | 単耳刺激両側誘導法で測定した小脳橋角部腫瘍5例, 上咽頭腫瘍1例の聴性脳幹反応についてそれぞれのMRI所見と比較検討した。 MRIはGd-DTPA造影T1強調像が最も良好なコントラスト分解能がえられ部位診断に有効であった。 健側刺激患側誘導の聴性脳幹反応所見より, IV波V波の起源が橋の上オリーブ核と関連が深いのではないかと推察した。 術前術後の健側刺激患側誘導のABR記録が波形の起源を考察する上で有用なデータを提供すると考え, 今後同側誘導だけでなく対側誘導も記録する必要を感じた。 健側刺激ABRの振幅増大も小脳橋角部腫瘍を疑う重要な所見の一つではないかと考えた。 |
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ISSN: | 0303-8106 1883-7301 |
DOI: | 10.4295/audiology.33.266 |