頭蓋内顔面神経磁気刺激の臨床的研究 末梢性顔面神経麻痺患者における早期予後診断の可能性と顔面神経被刺激部位の検討
正常人15人30側, 末梢性顔面神経麻痺患者108人を対象とし, 電気刺激と磁気刺激による複合筋活動電位 (CMAP) を比較し磁気刺激の臨床的有用性を検討した. 麻痺発症後7病日以内に磁気刺激CMAPの記録が可能な患者は, 麻痺発症後2週以内のENoG最低値は20%以上の症例のみであり, 2カ月以内に全例麻痺が治癒した. 顔面神経の磁気刺激部位について, 正常人において磁気刺激と電気刺激CMAPの潜時差は, 約1msecであり, 麻痺患者における臨床経過と磁気刺激CMAPの回復経過から顔面神経の被刺激部位はFischがBell麻痺の障害部位であると述べている内耳道底部近傍と考えられた....
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Published in | 日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 98; no. 9; pp. 1416 - 1425,1499 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
20.09.1995
日本耳鼻咽喉科学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0030-6622 1883-0854 |
DOI | 10.3950/jibiinkoka.98.1416 |
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Summary: | 正常人15人30側, 末梢性顔面神経麻痺患者108人を対象とし, 電気刺激と磁気刺激による複合筋活動電位 (CMAP) を比較し磁気刺激の臨床的有用性を検討した. 麻痺発症後7病日以内に磁気刺激CMAPの記録が可能な患者は, 麻痺発症後2週以内のENoG最低値は20%以上の症例のみであり, 2カ月以内に全例麻痺が治癒した. 顔面神経の磁気刺激部位について, 正常人において磁気刺激と電気刺激CMAPの潜時差は, 約1msecであり, 麻痺患者における臨床経過と磁気刺激CMAPの回復経過から顔面神経の被刺激部位はFischがBell麻痺の障害部位であると述べている内耳道底部近傍と考えられた. |
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ISSN: | 0030-6622 1883-0854 |
DOI: | 10.3950/jibiinkoka.98.1416 |