脳梗塞急性期および慢性期における血中塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)の変動とその臨床的意義

アテローム血栓性脳梗塞(AI)群,ラクナ梗塞(LI)群,心原性脳塞栓症(CE)群の血中塩基性線維芽細胞増殖因子(basic fibroblast growth factor; bFGF)抗原を急性期から慢性期にかけて測定し,その臨床的意義を検討した.第1病日,第7病日の血中bFGFは各群で健常群に比し高値で,AI群とLI群は第1病日から第7病日にかけて減少傾向,CE群は増加傾向を示した.慢性期血中bFGFは各群とも健常群に比し高値であった,急性期の血中bFGFの高値は梗塞巣からの逸脱を反映している可能性が考えられ,AI群とCE群について梗塞巣の大きさと第1および第7病日の血中bFGFの関係を検...

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Published in脳卒中 Vol. 21; no. 2; pp. 213 - 218
Main Authors 柳澤, 俊之, 杉原, 浩, 鴨川, 旭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 25.06.1999
日本脳卒中学会
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ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.21.213

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Summary:アテローム血栓性脳梗塞(AI)群,ラクナ梗塞(LI)群,心原性脳塞栓症(CE)群の血中塩基性線維芽細胞増殖因子(basic fibroblast growth factor; bFGF)抗原を急性期から慢性期にかけて測定し,その臨床的意義を検討した.第1病日,第7病日の血中bFGFは各群で健常群に比し高値で,AI群とLI群は第1病日から第7病日にかけて減少傾向,CE群は増加傾向を示した.慢性期血中bFGFは各群とも健常群に比し高値であった,急性期の血中bFGFの高値は梗塞巣からの逸脱を反映している可能性が考えられ,AI群とCE群について梗塞巣の大きさと第1および第7病日の血中bFGFの関係を検討したが相関は認めなかった. 急性期の血中bFGFの増加は全身反応の結果を反映している可能性がある.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.21.213