薬局薬剤師に期待される薬剤耐性(AMR)対策 —薬剤耐性菌と抗菌薬の特徴を知り,市中の抗菌薬適正使用を推進する

近年,抗菌薬が効かない薬剤耐性菌による感染症が世界的に拡大し,公衆衛生および社会経済に重大な影響を与えている.本邦では,2016年に薬剤耐性(antimicrobial resistance: AMR)対策アクションプランが策定され,様々な取り組みが実施されている.病院では,抗菌薬適正使用支援チーム(Antimicrobial Stewardship Team: AST)が組織され,抗菌化学療法認定薬剤師や感染制御認定・専門薬剤師が中心となってAMR対策に取り組んでいる.このようなAMR対策によって抗菌薬の使用量は減少したが,主要な薬剤耐性菌の分離率は減少していない.薬剤耐性菌の分離率を減少さ...

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Published in薬局薬学 p. ra.2023-1000
Main Author 中南, 秀将
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本薬局学会 2023
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ISSN1884-3077
2434-3242
DOI10.32160/yakkyoku.ra.2023-1000

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Summary:近年,抗菌薬が効かない薬剤耐性菌による感染症が世界的に拡大し,公衆衛生および社会経済に重大な影響を与えている.本邦では,2016年に薬剤耐性(antimicrobial resistance: AMR)対策アクションプランが策定され,様々な取り組みが実施されている.病院では,抗菌薬適正使用支援チーム(Antimicrobial Stewardship Team: AST)が組織され,抗菌化学療法認定薬剤師や感染制御認定・専門薬剤師が中心となってAMR対策に取り組んでいる.このようなAMR対策によって抗菌薬の使用量は減少したが,主要な薬剤耐性菌の分離率は減少していない.薬剤耐性菌の分離率を減少させるためには,市中における抗菌薬の適正使用が重要である.本稿では,薬局薬剤師に期待されているAMR対策と,抗菌薬適正使用を推進するために必要な,薬剤耐性菌と抗菌薬の特徴について概説する.
ISSN:1884-3077
2434-3242
DOI:10.32160/yakkyoku.ra.2023-1000