膵後面後腹膜リンパ管筋腫の1例

リンパ管筋腫(Lymphangiomyoma: LAM)はリンパ管周囲の平滑筋が増殖する良性腫瘍で女性骨盤内後腹膜のリンパ節が好発部位とされ,時として肺,縦隔内に広範に進展し,致死的な経過をとる極めて稀な疾患である. われわれは膵後面の後腹膜に限局したLAMを経験したので報告する.症例は40歳,女性.平成13年12月人間ドックで腹部USにて膵後面に占拠性病変を指摘され,当科紹介受診となった.手術所見では,腫瘤は下行大動脈と下大静脈の間を占拠し,被膜をもち境界明瞭で浸潤を認めず,一塊に摘出しえた.術後病理所見よりLAMと診断した.術後48カ月目の現在再発徴候なく生存中である.後腹膜病変のみのLA...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 67; no. 10; pp. 2453 - 2456
Main Authors 小野田, 尚佳, 西野, 裕二, 天道, 正成, 平川, 弘聖, 西原, 承浩, 若狭, 研一, 若狭, 朋子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.10.2006
Subjects
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.67.2453

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Summary:リンパ管筋腫(Lymphangiomyoma: LAM)はリンパ管周囲の平滑筋が増殖する良性腫瘍で女性骨盤内後腹膜のリンパ節が好発部位とされ,時として肺,縦隔内に広範に進展し,致死的な経過をとる極めて稀な疾患である. われわれは膵後面の後腹膜に限局したLAMを経験したので報告する.症例は40歳,女性.平成13年12月人間ドックで腹部USにて膵後面に占拠性病変を指摘され,当科紹介受診となった.手術所見では,腫瘤は下行大動脈と下大静脈の間を占拠し,被膜をもち境界明瞭で浸潤を認めず,一塊に摘出しえた.術後病理所見よりLAMと診断した.術後48カ月目の現在再発徴候なく生存中である.後腹膜病変のみのLAMは本邦では9例目と極めて稀であり,文献的考察を加えて報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.67.2453