胆道系感染症におけるCefixime (CFIX) の臨床的研究
抗β-lactamase性とグラム陰性桿菌に対する低いMICを有する新開発のcephem系内服剤であるCefixime (CFIX) を用い, 胆道系疾患に対する有用性を検討した。胆石を有する胆嚢炎7例, 胆嚢, 胆管炎4例, および総胆管十二指腸吻合後の胆管炎1例の計12例に対して, CFIX, 100~200mg, 1日2~3回投与した。投与期間は1例は27日間であったが, 他は6~10日間である。分離された起炎菌は6例より8株を得たが, E. coli5株, K. pneumoniae2株, S. epidermidis1株のうちE. coli1株はA. calcoaceticusに菌交...
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          | Published in | CHEMOTHERAPY Vol. 33; no. Supplement6; pp. 470 - 483 | 
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| Main Authors | , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            公益社団法人 日本化学療法学会
    
        1985
     | 
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| ISSN | 0009-3165 1884-5894  | 
| DOI | 10.11250/chemotherapy1953.33.Supplement6_470 | 
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| Summary: | 抗β-lactamase性とグラム陰性桿菌に対する低いMICを有する新開発のcephem系内服剤であるCefixime (CFIX) を用い, 胆道系疾患に対する有用性を検討した。胆石を有する胆嚢炎7例, 胆嚢, 胆管炎4例, および総胆管十二指腸吻合後の胆管炎1例の計12例に対して, CFIX, 100~200mg, 1日2~3回投与した。投与期間は1例は27日間であったが, 他は6~10日間である。分離された起炎菌は6例より8株を得たが, E. coli5株, K. pneumoniae2株, S. epidermidis1株のうちE. coli1株はA. calcoaceticusに菌交代を認めたが, 他は消失した。臨床効果は, 著効4例, 有効7例, やや有効1例で有効以上91.7%をしめした。副作用とくに内服による胃腸障害, 下痢等の消化器症状は認められず, 本剤によると思われる臨床検査値の異常も認められなかった。 症例のうち8例の手術に際して, 術前に2例は500mg, 6例は200mgのCFIXを頓用せしめ術中採取した胆汁, 胆嚢壁内濃度をE. coliATCC39188によるbioassay法にて測定した。500mg投与後総胆管胆汁55.3~238.0μg/ml, 胆嚢胆汁77.1~207.0μg/ml, 胆嚢壁2.0~21.3μg/gをしめし, 200mg投与後総胆管胆汁0.3~98.8μg/ml, 胆嚢胆汁0.1~69, 7μg/ml, 胆嚢壁く0.15~8.9μg/gを認めた。 これらの結果によりCFIXの胆道系感染症における有用性が認められた。 | 
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| ISSN: | 0009-3165 1884-5894  | 
| DOI: | 10.11250/chemotherapy1953.33.Supplement6_470 |