術前診断が困難であったslow growingな浸潤性乳腺篩状癌の1例
浸潤性篩状癌は, 1983年Pageらが最初に報告した稀な乳癌で予後は良好とされている.今回われわれはslow growingでかつ術前診断に難渋した浸潤性篩状癌の1例を経験したので報告する.症例は48歳,女性.平成10年頃より右乳房に3センチ大の腫瘤に気づくも放置.平成15年6月下旬,急激に増大したため当院受診し,右乳房C領域にDimplingを伴う5センチ大の弾性硬な腫瘤を認めた.超音波,マンモグラフィ, CT, MRIにて乳癌を疑い, Core needle biopsy (CNB)を2回施行するも確定診断には至らなかった.乳癌の疑いにて,平成15年8月,胸筋温存乳房切除術を施行.摘出標...
Saved in:
| Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 67; no. 11; pp. 2554 - 2557 |
|---|---|
| Main Authors | , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本臨床外科学会
25.11.2006
|
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI | 10.3919/jjsa.67.2554 |
Cover
| Summary: | 浸潤性篩状癌は, 1983年Pageらが最初に報告した稀な乳癌で予後は良好とされている.今回われわれはslow growingでかつ術前診断に難渋した浸潤性篩状癌の1例を経験したので報告する.症例は48歳,女性.平成10年頃より右乳房に3センチ大の腫瘤に気づくも放置.平成15年6月下旬,急激に増大したため当院受診し,右乳房C領域にDimplingを伴う5センチ大の弾性硬な腫瘤を認めた.超音波,マンモグラフィ, CT, MRIにて乳癌を疑い, Core needle biopsy (CNB)を2回施行するも確定診断には至らなかった.乳癌の疑いにて,平成15年8月,胸筋温存乳房切除術を施行.摘出標本において浸潤性篩状癌(混合型)と診断された.術後36カ月現在無再発生存中である.浸潤性篩状型乳癌はslow growingでかつ予後が良好であり,またCNB術前診断に難渋する可能性がある乳癌と考えられた. |
|---|---|
| ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI: | 10.3919/jjsa.67.2554 |